スエズ運河で座礁したパナマ船籍のエヴァーギヴン号は岸から離れ、船体の向きは運河に沿ってまっすぐに直ったという。現場にはサルベージ(引き揚げ)会社のエンジニアらが派遣され、複数のタグボートや浚渫船を使った離礁作業が長く続けられていた。さらに28日になってスエズ運河当局が船内にある約2万個のコンテナの一部を取り除く、船の軽量化作業を開始した。こうした軽量化作業には高さ60メートル以上に到達するクレーンなど、専門的な設備の導入が必要となるほか、離礁までに数週間かかるかもしれないとBBCに述べていた。代替ルートには、アフリカ大陸南端の喜望峰を経由することになる。エヴァーギヴン号が座礁したことで、ほかの多くの船舶はアフリカ大陸をぐるりとまわるルートに変更している。
エヴァーギヴン号は23日午前7時40分ごろ、中国からオランダのロッテルダムへ向かう途中、スエズ港のすぐ北側で座礁した。当時、強風と砂嵐が発生し視界が悪かった。
スエズ運河(Suez Canal)の航行が停止されている間は、代わりにアフリカ大陸南端の喜望峰(Cape of Good Hope)を経由する方法がある。スエズ運河を通る場合の距離は約1万海里(約1万8520キロ)で25.5日間ほど(平均速度16.43ノットで航行した場合)、 喜望峰を通る場合は約1万3500海里(約2万5002キロ)、34日間ほど(平均速度16.43ノットで航行した場合)かかる