前記事と同日。
東京の呉服屋さんの連盟(呉盟会)の伝統行事の赤札市で春秋2回行われる。今回は、50回記念で衰えぬ人気の会。
呉服小売店が、在庫商品を特価にして持ち寄り、それぞれの顧客を呼ぶ。市価の、2,3割方安く、半額以下の黄札商品もあり高額品もこの機会にと、金、土、日の三日間お客が切れない。
商品は安いばかりでなく、高級呉服店の店主や、目利きの仕入れ係が選んだ逸品ぞろい。
お客も日ごろから、目の肥えた上顧客主体である。一方娘の成人式の振袖を選びに来る人もいる。
来場客の3割が、和服姿で買いものに来る人たちで、よい着物をきちんと着こなしている。というのも、仕事柄きものを着る人たちで、きものが必要な人たちが多いからだ。吉天の分類で行けば、職業的にきものを着る人たちに当たる。つまり趣味と仕事が一致した人たちともいえる。 茶道や、邦楽、邦舞、華道、着付け教室の講師、和事に携わる人々。
呉服屋が、無理に勧めなくても自分に似合う着物を自分で選べる人で、本物の良さをよく知っている。安くてもB反市の品ではない。
もちろん、きものが好きで日常的にきものを着ている愛好家も多いと思うが、東京一円の広い地域からすれば僅かであろう。
この会に限って、需要と供給のバランスが保たれて長続きしているゆえんである。