まったくの、若葉の季節。
「若葉色」は、透明感のある薄緑である。
一枚一枚の木の葉を、眺めても、濃きあり薄きありでこれが若葉色と特定できない。
しかし、山を遠くから眺めると山の姿の中に、こんもり、こんもりと芽吹いた木々のかたまりが、薄緑に輝いているさまが、私は若葉色と感じる。
常緑樹のなかに、落葉樹が冬を越して芽吹いた新生の若緑の遠望が、かたまりとなって若葉色をなしている。
「あらたふと青葉若葉の日の光」 芭蕉
「奥の細道」の日光参詣のときの有名な句。若葉といえばこの句が引かれる。
自然の恵みを感じる、尊いと思える色。生命の新生、若葉色。
梨園とわが湖子庵の小庭にも、日増しに緑濃くなり、若葉色とは言えなくなった。今朝 鶯もやってきて、ホケキョと短くしか唄えない。ホーホケキョと啼けるようになったら、又おいで。
あっそっか。君はまだ若葉マークの鶯だ。