もう知っている人も、少なくなったと思うが、戦時中バスの燃料ガソリンが無くて、木炭バスが走っていた。 バスの後部に真っ黒いタンクをしょわせ、薪を7,8センチ大に切ったのを燃やせて煙をはいて走った。
時々エンストするので、乗客は降りて皆でバスを押してエンジンが再びかかるのを待った。運転手は、ボンネットの前で曲がった金具を差込み必死にまわし、ゴトゴトとエンジン音がして発車オーライ。
一方、食糧とて充分にないので、もちろん「バイオエタノール」のような代替燃料の発想は無い。
軍用機のガソリンの補いに、銃後の国民は山へ入って「松脂(まつやに)」をとった。松の木に、ゴムの木からゴムを採取するような傷をつけ、脂(やに)が垂れてくるのが固まったのをとって供出した。
今日の朝日新聞の天声人語のとおり、食糧をバイオ燃料に変えてしまっては、食品の物価が高騰し台所事情が苦しくなる。
これも昔の「エンゲル係数」を再び持ち出さなくてはなるまい。
(人間の考えることは、利口なようで本当はお馬鹿さん。)
「エンゲル係数」=家計に占める飲食費の割合。この係数の割合が大きいほど貧困度が高いとされてきた。