5月22日(火)の記事、「きっかけは・・・」の中で、電車で隣り合わせた老人から聞いた、大津事件のことふれました。
大津事件は、湖南事件とも言われ1891年に来日したロシア皇太子に、警固の巡査が斬りつけて傷を負わせた事件。この事件を題材にした著書が出ました。
「湖の南」
犯人津田三蔵のことを、近年明らかになった書簡や資料を丹念にあたって「湖の南」を著したもの。犯人の36年の生に迫っている。「生まじめな性格」ゆえに、明治新政府の下積みとして精神も暮らしも追い詰められた姿は、今も日本にありはしないか。大津事件 凶行への鋭い洞察 評者・由里幸子
富岡多恵子[著] 新潮社刊 朝日新聞書評(5月27日)
また、この事件は司法権独立史上特筆すべき事件とされている。
当時の政府(首相松方、内相西郷、外相青木)は、ロシアのことを恐れていたので大変慌てふためき、明治天皇自身見舞を行うと共に、司法部をあっぱくし、犯人を皇室罪に問う事によって死刑に処しロシアに迎合しょうとした。しかしそれにもかかわらず大審院は、普通謀殺罪として無期徒刑の判決を断行し、司法権の独立は擁護された。
これにより三権分立の意義は保たれた。