『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

案外楽しい入院生活 その1

2007年02月25日 01時32分59秒 | ぺこちゃんにまつわる話
緊張の面持ちで過ごす病院での第一日目。

同室の皆様に挨拶だけして、最初はおとなしくしていたけれど(←私が
向かいのベッドの方の所への夜の回診の様子で、ぶっちゃけてしまった。

「今日はえらい元気そうやな。」
「そうかなぁ?元気そうに見える?」
「うん、顔色もええやん。昨日はえらいしんどそうやったし、何かあったんかなぁ、思って心配してたんや。」
「心配してくれてたんや。・・・昨日はなぁ、いろいろあって・・・。」
「そうかて、今日は元気そうで良かったわ。・・・そら色々あるわなぁ。」
「あははは・・・そやねん。しゃぁないわぁ・・・はい、いいですよ。」

ん?・・・振り向いたら失礼かなぁ・・・と思いつつ、
我慢できなくてちらりと確認してしまった
これ、赤文字が患者さん。青文字がお医者様・・・の会話である。
何かおかしくないかい?・・・と思ってたら笑えてきたけど、それも失礼かと、
下を向いて笑いを堪えていたら、ぺこちゃんが言うのだ。
「何笑ってるの?」私が答えないと繰り返す。「ねぇちゃん、何笑ってるの?」
・・・ああ、ばか!言うなぁ

先生が部屋を出られた途端、急に病室が活気付く。
「おっかしいやろ?どっちが先生かわからんやろ?」
「せやけど、私らよりずっと若いしな。こっちはもう患者のベテランやからな。」
あっけにとられる私を尻目に、3人のご婦人方は爆笑。
ついでに、ぺこちゃんもつられて大きな声で笑い出す

緊張感はどこへやら・・・一気におしゃべりに花が咲く
お三方共60~70代のベテラン主婦。根っからの大阪のおばちゃん達。
うちお二方は入院生活も一ヶ月を越え、そろそろ退院が近い肺癌の患者さん。

「びっくりせんといてや。せやけど、退屈やもん。お喋りでもせんとなぁ。」
「なぁ、おねえちゃんかて、静かやったら寂しいやろ?」
・・・おねえちゃんって、私の事・・・

自慢じゃないけど、私はお産の時しか入院生活をした事がない。
ⅠもⅡもそれぞれに入院経験はあるけど、これ程盛り上がりはしなかった。
緊張と体調不良で泣く子供をほとんど抱いたまま24時間過ごすのだから、
親も疲労困憊・・・あまり笑っている余裕はなかったような気がする。

そんなこんなで、急に緊張の糸が切れたぺこちゃんはいつもの笑顔になる

ぺこちゃんは一見、障害を持っているようには見えない。
けれど、半日様子を間近で見ていると、どんな様子なのかは分かってもらえたらしく、
「大丈夫やで。困った事があったら、おばちゃん達に言いやぁ。」と声をかけてもらい、
「おねえちゃん、心配せんでもいいよ。何かあったら看護婦さんに言うてあげるし。」
心強い助っ人が現れて、私も安心して帰る事ができた。
もう感謝、感謝

一日、ため息ばかりで拗ねていたぺこちゃんは、面会時間が終わる頃には
「ばいば~い」と、手を振って笑顔で送ってくれた。

こっちは大丈夫・・・やっていける。と心からホッとした。・・・けど、
ベッドの上のぺこちゃんの仕草は、まるで子供のよう・・・。
ぺこちゃん・・・こんなに幼かったっけ??・・・改めて気づかされた一日だった。

コメント (2)
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