『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

あなたはだぁれ?

2008年01月16日 03時32分55秒 | かぁちゃんにまつわる話
    あざみの花を見ては・・・
   あざみの歌を聴いてはあなたを思い出しています。
   私もなかなか体が良くならなくてお見舞いにも行けません。
   ・・・夢の中で会いましょうか?




めっきり少なくなったかぁちゃんへの年賀状の中の一枚。
かぁちゃんの事をよく知っていてくださる方なのだ。

    いつも母の事を覚えていてくださってありがとうございます。
   あんなにお喋り好きだった母はお喋りが苦手になってしまいました。
   私が煩がったせいか、もう私の名前も呼んではくれません。
   けれど、私が「あざみの歌」を歌うと、笑顔いっぱいで大きな声で歌います。
   そんな時の母はとても幸せそうで、私も一緒に幸せになります。
   母は夢の世界では自由自在なので、いつかお会いしに行くと思います。
   どうか一緒に「あざみの歌」を歌ってやってくださいね 


なんて返事を書きたい。それより、あなたに会いに行きたい。

なのに・・・どうしてお名前がないのですか~っ?
去年の年賀状を探すけれど、同じ筆跡の物が見つからない。
年賀状に消印がないのは困る事だってある。
かぁちゃんのこちらでの友人なのか、故郷の友人なのか、
それすらも分からないのだもの。

ねぇ・・・ねぇ・・・「あなたは、だぁれ?」


「これ、だれからかねぇ?」ってかぁちゃんに見せたら、ちらりと横目で見て知らん顔。
「なぁなぁ、誰と思う?」って、かぁちゃんの両手を取って聞くと
「うふふ~っ」といつもの得意の笑顔。
そのまましばらく一緒に歌ってると、リズムを取ってたかぁちゃんの手がぴたりと止まる。
やがて、私の手からするりと自分の手を抜いて、
私の左手をすりすりすり こしこし・すりすり・うふふ~
それから、その手がはたと止まり、じっと私の手首を見つめてる。

「あ、やばい!」・・・。
かぁちゃん、にぎりこぶしの左手で私の左腕を押さえて
右手で素早く一瞬のうちにぺりっ!

・・・・・・・・・

なんではがすのさぁぁぁ?かさぶたを~~~っ!!

血は出るし、痛いし~っ!!
「いって~っ!何すんの~っ?」って叫んだら、
かぁちゃんは、きゃははははっ!って笑った・・・絶対そう笑ったって
いや、そんな事より驚くべき事は
かさぶたが剥がせる程、右手の機能は全く衰えてないって事なのよね。
獲物をしっかり捕らえて離さず、目的を成し遂げるなんて・・・
ま、まぁ、取りあえず拍手・・・う~・・・痛いって・・・

   
   
    名前のない貴女様へ、どうか安心してください。
   母はまだまだ元気です。出来る事もたくさんあります。
   どうぞ、御身お大切になさってくださいね
コメント (9)
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