とうとう「財政の崖」による米国国家予算の強制削減が始まった。これは国際金融資本及びそれに支配された米国の巨大企業群と米国政府の戦争である。格付け会社S&Pの「歳出の強制削減は一時的で、第2・四半期には歳出削減と歳入増を盛り込んだ長期的なパッケージに置き換えられると確信しており、これが実現すれば、歳出の強制削減発動による今年の米国内総生産(GDP)への悪影響は限定的になると考える」という声明は、米国議会で与野党が合意に達しなければ4月以降に政府機関の閉鎖、5月中旬以降に米国債新規発行停止などが起きて米国の国内総生産に大打撃が起きることを示している。2月20日の安倍首相の外債購入否定宣言も非常に重要で、これによって国際金融資本は日本から金を出させてドル覇権を維持することが不可能になった。安倍首相はB787事故などによる脅迫に従わなかったのだ。
更に重要なのは米国の政府機関閉鎖に伴って米軍が予算不足のため麻痺することだ。恐らく核武装したイスラエル・国際金融資本連合による対米脅迫に対抗するために中東の米軍は維持せねばならないので、日本や南朝鮮などの東アジアに駐留する米軍は維持不可能になる。5月初めの日本や中国の連休の後に米軍が兵士の給与支払いも燃料確保も不可能になって麻痺する事態が起きることだろう。これは米軍の軍事力の脅迫で維持されていた米国の輸出が激減することを意味し、1989年以降の旧ソ連圏の経済的崩壊が米国で繰り返されることになる。TPPによる日本乗っ取り脅迫も日本が拒否しているし、期限が秋以降なので米国の軍事的・経済的崩壊を止めることはできない。 . . . 本文を読む
これからの注目は米国の「財政の崖」を巡る動きである。12月31日または1月1日までに交渉が妥結しなければ米国は大増税と支出大幅削減を強いられる。米国内には楽観論と悲観論の両方がある。米財政協議めぐる不透明感でドルが上昇との報道では「比較的リスクの低いドルに資金が向った」と報道されるがこの理由は嘘だ。財政の崖によって米国は国債発行を激減させるので経常収支が改善する(同時に劇的な米国発大恐慌も発生する)。この予測の元にドルが買われているのだ。米国の国債バブルも、財政の崖によって米国では劇的なデフレが発生するので近い将来に国債の実質利回りが大幅に改善するとの見込みを示している。国際金融資本のFRB支配終了はドル覇権の消滅を意味する。膨大な対外債務を抱えた米国にとって一番有利なのはドルを暴落させて対外債務を縮小させるとともに日本企業の株式などの外貨建て資産を保有し続けることだ。これは米国国内でのインフレ政策を意味する。麻生財務相の「ドル高にすべき」との発言はこれを容認しないとの意向であろう。米国は対外債務返済のために、プラザ合意以降の日本経済攻撃で手に入れた日本株を全て売却し、大幅増税と財政支出大幅削減で経常収支を正常化せねばならないとの日本政府の意思が示された。従って麻生財務相の「財政の崖は回避が望ましい」との発言は建前で、本音は逆だろう。 . . . 本文を読む
米国のリベラル派の国際政治学者であるジョセフ・ナイは「ソフト・パワー」という軍事力・経済力以外の力による対外影響力の行使を主張している。日本では、米国は食文化や芸術などのソフトパワーに優れた国であるという主張も行われている。しかしながら、日本や欧州などの先進国では米国の食文化は不健康なジャンクフードと見なされており、米国風の食事でフランス料理や日本料理・中国料理のような高級料理と世界的に評価されるものは存在しない。芸術もマスコミのプロパガンダの力を借りた大衆音楽や映画などが関の山である。米国は絶望的にソフトパワーの低い国なのだ。韓国人が「自尊心」や「偉大な歴史」を繰り返し主張するのが自国の歴史が余りに惨めであることの裏返しであるのと同じく、米国のソフトパワーは極端に低く、米国の対外影響力行使は軍事力と金融力というハードパワーにほぼ100%依存している。それ故に「ソフトパワー」を強調せねばならないのだ。
イラク戦争以後米国の国際的な人気が下落してソフトパワーが注目されるようになったとwikipediaには書かれている。しかし、ナイがソフトパワーを主張し始めたのはイラク戦争のずっと前である。どんなに米国が自国の文化を宣伝しても、パレスチナを侵略し先住民を虐殺し核兵器で周辺国を脅迫し続けるイスラエルを強固に支援し続けている時点で米国の国際的評判は地に落ちている。軍事力と金融力(両者はともに石油ドル体制に依存しており一蓮托生である)を失ったら米国の主張に従う国は皆無となることだろう。
現在、米国のリアリスト達はユーラシア大陸への直接的軍事関与を中止して周囲の島嶼まで軍隊を撤退させることを主張している。これはオフショアバランシングと呼ばれ、ユーラシアからの完全な撤退である孤立主義とは全く異なるとされる。しかし、一度米軍が撤退したらその地域は永遠に反米地域化し、米国の対外影響力と国力は劇的に低下することになる。これは事実上孤立主義と同じ結果を生む。 . . . 本文を読む
伊藤貫著の「自滅するアメリカ帝国」を読んだ。この本では、米国は日本を事実上の植民地として扱い自立した国家であることを許してこなかったという事実が繰り返し語られている。そして、米国がもはや全世界を軍事的に支配し続けることが国力的に不可能になっており、近未来にアジアから撤退していくこと、その時には日本は独力で中国の脅威に対抗する事が必要であり、核武装が必須であることを説いている。わかりやすく重要な書物なので皆さんにも一読をお勧めしたい。
この本では、日本の政治家や官僚は米国の言いなりになる馬鹿ばかりであり、米国はなぜか愚かな自滅政策を採っていると主張している。しかし、これには裏があると私は考える。米国人は愚かであり、支配地域の住民が反発すると、自らにその原因があると考えることができず、反射的に反発する人々を弾圧し虐殺するという政策を採ってしまう。従って、このような愚かな支配者であるアメリカ人とうまくやるには、アメリカ人の愚かな主張を日本人は諸手を挙げて歓迎しているふりをするのが最も賢明であるというのが日本の支配階層の一致した意思であると考えている。米国の政策が愚かであればあるほどそれに対して熱狂的な賛意を示さねばならないのだ。恐らく、一見米国の飼い犬のように見える日本の政治家や官僚こそが心の奥底では最も米国を軽蔑し憎んでいる人々であるのだろう。
また、米国は一見愚かな自滅政策を採っている。これは恐らく米国国内での国際金融資本と反対勢力(米軍が中心)の間での激しい内戦が原因であり、米軍は米国の覇権を自滅させることで米国を乗っ取った国際金融資本という悪性腫瘍を死滅させることを目指しているのではないかと私は想像する。 . . . 本文を読む
FRBは米国の中央銀行であるが、米国および欧州の十余りの民間銀行に所有された民間銀行でありそれ故に米国憲法に違反した存在である。このFRBは1913年に米国議会の出席者が少なくなったチャンスを狙って議会を通過した法案によって設立された。これによって米国は通貨発行権を国際金融資本に奪われ、事実上国家そのものを乗っ取られることになった。
国際金融資本がFRBを設立した理由は明白である。19世紀の世界覇権はロンドンに本拠を置く欧州の国際金融資本が握っていたが、もはや鉄道の発達によって急速に発展するロシアとドイツというユーラシアのランドパワーに対抗できなくなっていた。そこで、これらのランドパワーを封じ込めて国際金融資本による世界支配を継続するために、英国より国土が広く人口も多い米国を乗っ取ることが計画されたのだ。この乗っ取りは、欧州の国際金融資本と米国の国際金融資本の共同作業であった。FRBの株主は欧州系と米国系で半々であることはそれを示している。
共和党の下院議員で大統領候補であるロン・ポールは一貫してFRBの廃止を主張している。彼は恐らく米国内の反国際金融資本派の指導者の一人であろう。1月3日のアイオワ州での投票で現在彼は僅差だが一番人気となっており、次期大統領になる可能性は十分ある。彼を大統領にするかどうかは米国の世界覇権を終焉させることと同義であり、米国支配階層の中では大きな対立が存在するものと思われるが、それでも米国支配階層の多数派はロン・ポールを大統領にするつもりではないかと考えている。
日本による中国国債購入と日中貿易の円・人民元決済、中国の日本・インドとの関係発展の意思表明、日印のドル融通協定など、世界は米国覇権崩壊後の多極化システムに向かって急速に進み始めている。日本の対外貿易の一位は米国ではなくて中国であり、その膨大な日中貿易は現在ドルで決済されている。これが円・人民元での決済に切り替わればドルの需要は減少し、国際基軸通貨としてのドルの地位は大きく低下することになる。更に今後は中東産油国もドル以外の通貨(ユーロ・円・人民元など)での決済を開始し、その時点でドル覇権は完全に崩壊して米国は中進国になることだろう。ロックフェラー財団の高官による原爆投下批判書簡の公開は恐らくその事態に備えて日本人の反米感情を緩和することが目的だろうと思われる。
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米国のフーバー元大統領がルーズベルト大統領を「対ドイツ参戦の口実として、日本を対米戦争に追い込む陰謀を図った『狂気の男』」と批判していたという内容の本が出版された。第二次世界大戦は米国の正義の戦争という20世紀の価値観の転換を迫る出版である。このような本が出版されるのは、もはや米国が正義であった20世紀が終焉し、世界が多極化する21世紀に移行しつつあるという現状を反映している。
しかし、ルーズベルトが悪者という意見には私は賛成しない。真の巨悪は国際金融資本であり、恐らくその中枢は英蘭両国の王室ではないかと私は想像している。ルーズベルトもチャーチルもレーニンもスターリンも、国際金融資本に指名されて国際金融資本のために働いた単なる使用人に過ぎないのだ。彼らの行動は明らかに彼らの所属する国の国益に反しているが、国際金融資本の利益には合致している。
真珠湾攻撃の際の宣戦布告が遅れたのは外務省ではなく陸軍の責任という主張を行っている元外交官もいるようだ。しかし、私はこの主張は、国際金融資本の世界支配が完全に崩れるまでは、国際金融資本の植民地として少なくとも表向きは彼らに忠誠を誓う方が国益に合致するという判断ではないかと思っている。第二次世界大戦はプロレスと同様の八百長であり、日本は悪役を引き受けたのでわざと宣戦布告を遅らせたのだろう。無論、その引き替え条件として、第二次大戦後には日本の本土は米国の支配下に置かれ、日本の繁栄が約束されていたのだろうと思われる。帝国海軍と外務省の英米派が中心となって帝国陸軍や外務省の反英米派を説得して対米開戦が決定されたのだろうと思われる。 . . . 本文を読む
米軍はイラクから年内に全面撤退する。中近東では米軍の主要基地はイラクに集中しており、従来サウジアラビアにあった大規模基地の多くは閉鎖されている。従って、米国のイラク撤退は米軍の中近東からの撤退を意味する。これによって、サウジアラビアをはじめとする中東産油国は米軍の占領下から自立することになる。これにより、中東産油国がドル建てで石油を売る石油ドル体制も崩壊する。
現在、米軍は西太平洋では従来の軍事力を維持すると主張している。しかし、石油ドル体制が崩壊すればもはや米国は軍事費を維持できなくなる。その結果は明らかで、日本や韓国から軍隊を引き揚げることになる。場合によっては日本が傭兵としてアメリカ海軍空軍に金を出して維持するという可能性があるのが唯一の例外である。
では、米軍がアジア大陸から撤退した後はどうなるのか?私は、上海協力機構がアジアのEU的システムに移行すると考えている。そして、恐らく上海協力機構の影の盟主は日本であり、日本やアセアン諸国が米国の支配下から脱して上海協力機構に加盟することで世界システム転換は終了すると考えている。米国が友好国と考えているインドやトルコ、アセアン諸国が既に上海協力機構にオブザーバー参加や客員参加、加盟申請などの形で参加し始めている。現在の日本は米軍の占領下にあり、亡命政権は北朝鮮政府を乗っ取った帝国陸軍残党である。北朝鮮と中国・ロシアの親密な関係を考えるならば、現在の日露・日中の対立は米軍と中露の対立に他ならず、米軍の撤退後は基本的に東アジアは安定した政治システムに移行すると私は予想している。それは、日本・中国・インド・ロシアの4大国の協調から成るウィーン体制に似た国際システムである。唯一戦争が起きるのが、米軍の撤退で滅亡する韓国であろう。 . . . 本文を読む
オバマ大統領は9月21日の日米首脳会談で環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加盟を野田首相に要求した。このTPPは事実上、日本の政策決定権を米国が握る計画である。米国は日本の農業(特に米作)を壊滅させて米国からの輸入農産物に依存させて日本をコントロールし、国民皆保険を崩壊させて米国系保険会社にぼろ儲けさせ、弁護士や会計士も米国の資格に統一させて米国人弁護士・会計士が儲かるようにするのが目的だろう。恐らく菅直人前首相は「TPPに加盟しないならば米国は台湾と日本から撤退して日本は中国の属国になるがそれでも良いのか?」と脅迫されており、それ故に辞任して野田首相にバトンタッチしたのだと私は想像している。また、最近の弁護士・会計士の供給過剰と就職難は、米国が日本の弁護士・会計士市場に参入することを諦めさせるために日本支配階層が計画して実行したのだと考えている。
現在起きていることを理解するには、一世紀前に何が起きたかを理解することが必要だ。19世紀に世界を支配していたロンドンに本拠を置く国際金融資本は、鉄道の発達でランドパワーのドイツとロシアが急激に発展することに脅威を感じていた。マッキンダーが東欧を世界支配で最も重要なハートランドと定義したのは、東欧がドイツとロシアの発展の場であった事に由来する。このドイツとロシアの隆盛に対抗して欧州の国際金融資本は1913年に米国の国際金融資本と共同でFRBを設置して米国政府を乗っ取った。その次に、ロシアに居住するハザール系ユダヤ人と共同で1917年にロシア革命を起こしロシアを乗っ取った。そして、米露の二極を握った後に第二次世界大戦で日本とドイツを押しつぶして世界支配を完成させた。
現在、国際金融資本は崩壊の危機に喘いでいる。この状況で、国際金融資本、あるいは国際金融資本から解放された後の米国も、生き残りの策を練っている。この策の一つが、TPPによる日本乗っ取りであろう。日本は米軍の占領下にあるので表立ってこれに反対を唱えることは出来ないので、国民新党の亀井代表の様な弱小政党の政治家に真実を発言させ、米国に対しては表向きはyesと言いつつ、首相の首を次々とすげ替えて時間を稼いでいるのだ。担当者を次々に交代させて時間を稼ぐというのはペリー来航時以来の日本の伝統的対米対処法である。面従腹背こそ日本が取るべき道であり、それを日本は実行している。 . . . 本文を読む
ミアシャイマーに引き続いてオフショアバランシングを主張するクリストファー・レインの著作が邦訳される。訳者は地政学者の奥山真司氏。早速アマゾンで予約した。これらの論者は表向きはユーラシア大陸に米国が関与し続けることを主張している様だ。しかし、彼らのホンネは事実上の孤立主義への回帰ではないかと私は想像している。それによって米国支配階層が目指すのは、国際金融資本から国政を取り戻すことであろう。世界覇権国米国の内戦で漸く決着が付き、国際金融資本が勢力を失い滅亡しようとしているのだ。
米国がこれまでのユーラシア大陸への軍隊駐留による直接関与政策を見直さざるを得ないのは、米国の経済的困難が原因である。世界の2割強の経済力で世界の5割の軍事費を支出するという現状はどう考えても継続不可能である。そして、近未来の米国が大幅な経済成長を達成できる見込みは皆無である以上、米国は経済力に見合ったサイズまで軍備を縮小する必要がある。米国の経済力は軍事力に支えられてきた面が大きいので、軍事力を失った米国は大幅な経済的収縮を覚悟せねばならない。その結果、事実上米国は太平洋や大西洋を越えて軍事力をユーラシア大陸に投射する能力を失うと想像される。米国は20世紀初頭の南北米国大陸に限局した地域大国の地位に逆戻りするのだ。 . . . 本文を読む
21世紀の世界は多極化する。1815年以降の欧州大陸でフランス・ドイツ・ロシア・オーストリアなどの大国が勢力均衡していた様に、21世紀のアジア大陸では日本・中国・ロシア・インドの4大国が勢力均衡することになる。恐らく、米国の世界覇権が崩壊した後に日本が米国から自立し、上海協力機構に日本が加盟することでそのシステムが開始することになると私は想像している。
米国の世界覇権は、米国の海軍力が世界の海上貿易、特に中東から東アジアへの石油輸送ルートを支配していることによって成立している。その結果米国の通貨ドルが価値を維持することができ、そのドル(国債)を大量に発行することで巨額の軍事費が賄われている。米国の世界覇権は軍事力とドル覇権の両輪から成り立っており、それは総合依存関係にある。従って、今後米国国債が部分的にであれ債務不履行に陥れば、自動的に米国は軍事力を維持できなくなり、軍事覇権も崩壊することになる。その時期が今や刻々と近づいている様に思われる。
日本は米国の属国であるが、米国没落後に東アジアでの米国の役割をそのまま引き継ぐという微妙な立場にある。没落間近の米国はソ連・日本・中国と米国に次ぐ世界第二位の国を激しく叩き続けてきた。日本としては、米国の第二位国叩きをやり過ごし、米国に敵視されないことを最重要視すべきである。その為には、米国の軍事覇権とドル覇権が崩壊するまでの間は不況を維持し強化し続けることが必要だと思われる。
バブル崩壊後の日本は、景気が回復しそうになると間接税を引き上げたりマネーサプライを絞ったりして景気をわざと悪化させてきた。これは実に賢明な政策であったと思われる。現在の菅首相の政策もそれを引き継ぐものである。恐らく財務官僚たちがこのような政策を立案し菅首相に命令を下しているのであろう。米国の覇権が崩壊するまで、もう暫くの間日本人は不況に耐えることが必要である。そして、米国の覇権崩壊後の数年間ないし十数年間は更に困難な不況が訪れることも覚悟せねばならない。その困難な時期の後に、日本はアジア大陸の軍事覇権こそ握らないが、指導的国家として姿を現すことだろう。 . . . 本文を読む
著者が考える西洋の世界覇権維持の方法は、生命科学を中心とする高度な科学技術と軍事力が柱であるようだ。ただ、核兵器の出現で西洋の軍事力の優位は揺らいでいる。第二次大戦以後、米国は核兵器を保有した国と直接戦争を行っていないのがその証拠である。従って米国の唯一の望みは科学技術であることになる。特に、生命科学を応用した生物兵器(SARDSやAIDSなどが恐らく含まれる)が有力となる。
米国人の思考形態から考えて、将来中国に世界覇権を奪われる危険を感じたとき、米国は躊躇せずにこれらの生物兵器を中国に使用してくることだろう。米国は米国先住民の虐殺や広島長崎の虐殺、ロシアや中国での共産革命の支援などの犯罪行為によって成立した世界帝国であり、どんな犯罪行為であれ勝った者が正義という価値観を持っていることを忘れてはならない。米国支配階層は自国が世界覇権を失ったら、自分たちが米国先住民や広島・長崎の様な報復を受けることを強く恐れている筈であり、世界覇権の保持に固執することだろう。米国が生物兵器を中国に行使するならば人種が同じ日本は中国と同時に滅亡することになる。
従って、日本は米国を衰退させてこれらの攻撃の危険を取り除くことを第一の国家目標とすべきであると考える。その為には、米国の国際金融資本の支援により実行されたロシア革命で共産主義に苦しんだ歴史を持つロシアとの同盟が決定的に重要であると思われる。また、米国国内での国際金融資本と米軍の対立を利用して米国の弱体化を推進する必要がある。仲間割れは弱体化の大きな原因になるからだ。
そして、中国を文化や科学技術の力でコントロールして日本の勢力圏とし、日本を東洋文明の中心として維持・発展させていくことを第二の国家目標とすべきであろう。また、中国をコントロールするためにも、中国を取り巻く大国であるロシア・インドやアセアン諸国との関係を良好なものにしていくことが望ましいだろう。 . . . 本文を読む
昨日の記事で触れた、東日本大震災が米国のHAARPによる人工地震であると主張した元ミネソタ州知事のJesse Venturaが、911事件の真相について語っている。それによると、米国政府は、中東政策を推進することとの引き替えに911事件が起きることを容認したのだという。私はこの意見には同意しない。911事件以後の米国の中東政策は謎が多い。アフガン攻撃は、ソ連や大英帝国の占領失敗の歴史から考えても困難であることは予想されていたが、それが現実化している。石油も天然ガスも出ないアフガニスタンを占領することは米国にとって有益とは思えない。また、イラク占領も、バース党の組織を解体してしまったことで難航している。更に、イラク攻撃の根拠であった大量破壊兵器が嘘であったことが明らかになり米国の威信は地に落ちた。米国はもっとうまくやることが出来た筈である。私は、米国のアフガン攻撃・イラク攻撃は共にわざと負けることが目的であったと考えている。米国がわざと負けることで、ペルシャ系民族の住むアフガニスタンと、シーア派が多数居住するイラクの大部分がイランの影響下に入り、イランの勢力が拡大することが目的の一つであろう。それによって中東はイラン・サウジアラビア・トルコの三大国が並立する状態となる。中東全体を一つの国が支配するという事態が回避されることは欧米諸国にとっては望ましいのだ。また、アフガン占領・イラク占領の泥沼化で米国の軍事力が低下することは、米国を支配する国際金融資本・イスラエル連合の力を低下させることにも繋がる。米国支配階層の多数派はもはや国際金融資本・イスラエル連合に見切りをつけており、彼らを滅亡させることを狙っているのだろう。ただ、国際金融資本はFRBを通じて米国に深く浸透しており、それを滅亡させるには米国自らが血を流す必要があるとの認識があるのだろう。いわば、「肉を切らせて骨を断つ」戦略である。そして、それが成功した後、米国は軍事技術の優位性を武器にして21世紀を生き抜くつもりなのだろう。 . . . 本文を読む
米国のフロリダ州の高速鉄道計画が白紙となった。恐らく、他の州の高速鉄道計画も多くが白紙撤回されることだろう。
米国は多極分散型国家であり、中枢機能が全国の大都市に分散している。国土が広いこともあり、鉄道が得意とする200-800km程度の都市間輸送の需要が小さく、飛行機が得意とする800km以上の都市間輸送の需要が大きいのだ。更に、米国では公共交通機関が発達しておらず、自動車利用を前提として広い地域に都市が拡がっている。200km-400km程度の移動なら、ドアtoドアで移動できる自動車の方が便利であろう。従って、高速鉄道を建設しても採算がとれる地域は非常に少ないと思われる。候補としては、東海岸のボストン-ニューヨーク-ワシントンDC間、西海岸のサンフランシスコ-ロサンゼルス-サンディエゴ間、バンクーバー-シアトル間程度ではないかと思われる。東海岸のボストン-ニューヨーク-ワシントンDC間には既に鉄道が存在し、これを高速化するだけでよいことを考えると、新路線建設の可能性があるのは西海岸の二カ所だけになるだろう。これも、採算がとれるかどうかは微妙である。例えば西海岸の二大都市であるサンフランシスコ-ロサンゼルス間だが、日本の東京大阪間と比較すると需要ははるかに小さいようである。上越新幹線か九州新幹線程度の需要しかなく、補助金を投入しないと建設は無理ではないかと思われる。そして、現在の米国経済が双子の赤字で火の車であることを考えると、鉄道建設に補助金を出す余裕はないと思われる。
航空機と自動車に依存した米国の国土構造・都市構造は安価な石油を前提にしていた。世界の石油生産がピークを越え原油価格の上昇が止まらないであろう21世紀、米国は輸送コストの高さ故に衰退していく可能性が高いと思われる。衰退を免れる唯一の方法は、軽量で大容量の超高性能の蓄電池開発による電気自動車への切り替えと、石油を使用しない航空機の導入であるが、この二つの技術は少なくとも現状では全く目処が立っていない。米国に代わって、鉄道輸送に適した国土構造・都市構造を持つ日本と欧州が世界の先進地域の双璧になると思われる。米国の西海岸は高速鉄道が整備されれば何とか先進地域として生き残れるだろう。
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ブログ「地政学を英国で学ぶ」のコメント欄が興味深い。米国の推進するTPPを、太平洋ブロック国家と指摘している。EUというブロックの登場に続き、米国も自国の主導するブロックの結成を目指し始めたということなのだろう。私は日本は東アジアブロックを主催し主導すべきだと考えているが、アメリカを敵に回すべきではないので、一時的にTPPに加盟するのは悪くない選択枝だと考えている。2008年のリーマンショックをきっかけに全世界は事実上大恐慌時代に突入しており、ブロック経済化は避けられないのかもしれない。日本経済新聞が日本の医療の生産性の低さを指摘している。日本の医療の生産性が低いのは、医療費が安いことが原因であり、それは国民福祉から見て好ましいことである。医療費の大部分は老人が消費していること、老人は貧富の格差が大きいことを考えれば、安価で高レベルの医療が供給される日本の現在のシステムをある程度維持していくことが必要不可欠だろう。それにもかかわらず日経が日本の医療の生産性の低さを批判するのは、恐らくTPPで米国から日本に対し医療分野での要求があったためと考えられる。同様に米国が強みを持つ金融や法曹などの分野でも要求があるのだろう。医療・金融・法曹や農業を含め、日本にとって重要な産業やシステムを米国からの理不尽な要求から守りつつ、日本の国益を実現していくことが求められている。野党である自民党がTPPへの意見決定を先延ばしにしているのも注目される。「国論を2分するような課題で方向性を示すのは得策ではない」とあるが、国論を二分するような重要な課題で方向性を示せない政党に存在価値があるとは思えないのだ。恐らく、TPPについて真剣に議論すれば反対派が勝利してしまうので、議論を避けるべきだという判断を日本支配階層が行ったためだと思われる。現在の世界は、米国一極体制から多極体制への移行期という不安定な時期にある。米国のどの様な勢力がどの様な意図でTPPを推進しているのかを見極めることが必要だ。そして、その勢力の今後の推移を予測した上で日本は戦略を組んでいくべきだろう。もちろんその最終目標は、米国からの独立と東アジアブロックの支配権確立である。 . . . 本文を読む
北米と欧州をカバーする北大西洋条約機構(NATO)のミサイル防衛網にロシアが招待されることになった。そして、このミサイル防衛網には日本も全面的に協力している。NATO+ロシア+日本、つまりG8によるミサイル防衛システムが動き出したことになる。
ミサイルという飛び道具は銃弾のようなもので、防衛することが難しいが、高性能の防弾チョッキを共同開発しようということだ。なぜG8がミサイルを恐れているかというと、途上国やテロ集団がミサイルでG8諸国を脅迫する可能性があるからだ。G8諸国は先進国集団であり(ロシアだけは微妙だが、その広大な領土と資源は先進国にとって必要不可欠だ)、それ故に脅迫にあう可能性が高い。防犯装置が必要なのは金持ちだけなのだ。
中国やインドに代表される新興国は不安定要因を抱えている。中国経済は今がピークという見方もある。田中宇氏はG8からG20に世界支配権が移ったと主張しているが、私の意見は異なる。世界支配権は依然としてG8にあり、少なくとも今後20-30年はその状態か続くだろう。G8諸国は北極圏や流氷域に近接した北半球の中高緯度に集中しており、環北極圏同盟という見方もできるだろう。
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