国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

日米露三カ国による軍事的中国包囲網の強化

2008年05月06日 | 中国
永らく米露両国の対立の的であった東欧でのミサイル防衛システム配備問題がどうやら和解に転じた様である。サブプライム問題による米国の国力弱体化もあり、反米の中露同盟が徐々に崩壊して反中の米露同盟が形成されはじめている様に思われる。ロシアがもはや最新鋭兵器の対中売却を禁止したことも重要である。福田首相の訪露でも石油パイプライン問題で日本に有利、中国に不利な合意が行われており、日本が反中国同盟の一員に加わった様に思われる。日本が多弾頭迎撃体MDシステムの導入を決定したという5月3日の読売新聞の報道も、中国の核ミサイルに対する日米共同の対抗策と見なすべきだろう。 G8諸国の中国包囲網は、国境を越えた記者団・BBC・CNNなどの西側マスコミと、北京オリンピック開会式への不参加を宣言したEU諸国が表に出ている。軍事力を伴わないソフトなアプローチである。そして、中国と軍事的に接する日米露の三カ国はチベット問題や北京オリンピック問題で中国を刺激することを避けている。しかし、最新鋭兵器、ミサイル防衛システム、石油パイプライン問題などのハードな面では、日米露の三カ国は中国包囲網を強化しつつあると言える。この役割分担が興味深い。 . . . 本文を読む
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