国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

北朝鮮は何故日本人を拉致したのか?

2009年11月02日 | 韓国・北朝鮮
北朝鮮の日本人拉致は謎が多い。目的がはっきりしないのだ。日本に潜入するスパイを教育する目的であれば、日本から帰国した朝鮮人で十分である。日本人を拉致することが対日外交で得点になるわけでもない。拉致問題が明らかになって以後、日本人の対北朝鮮感情は極度に悪化している。一体何が拉致の目的なのだろうか? 私の考える答えは、「日本人の対北朝鮮感情を極度に悪化させること」が日本人拉致の目的である、というものだ。北朝鮮は日本の残置諜者国家であり、日本の国益のために活動してきた。例えば朝鮮戦争では日本の産業が息を吹き返したし、核実験・ミサイル発射では日本の核武装やミサイル防衛の根拠を与えることになった。しかし、このような北朝鮮と日本の同盟関係が公になると、朝鮮戦争が休戦中であることから考えて日米関係、日韓関係に悪影響が出てしまう。日朝の友好関係を秘密にするためにも、表向きは日朝関係が悪化していることが望ましい。そのような日が来ることを予見して日本人が70年代から80年代初めに拉致され、そして2002年9月にそれが公表されたというのが私の想像である。日本人拉致は恐らく日朝共同作戦であり、金正日だけでなく日本の支配階層も承認していたのではないだろうか。同様の例は日露関係にも見られる。「日本人の対ロシア感情を極度に悪化させること」を目的とした北方領土問題の政治問題化である。表向きは最悪の日露関係だが、国際金融資本及び中国という共通の敵を有することを考えると、裏では良好な関係を維持しているのではないかと想像される。 北朝鮮には、近い将来に第二次朝鮮戦争で韓国を滅亡させるという大役が待っているであろうことを考えると、日本人拉致問題の最終的解決は韓国滅亡後になる可能性が高いと思われる。来るべき世界恐慌を解決するには、工業生産力が集中した日中韓三カ国のいずれかの工場設備が戦争により破壊されること以外の方法はないだろう。北朝鮮の南進による韓国の滅亡が日本の生き残りのために極めて重要であるからこそ、拉致による日朝同盟の隠蔽が必要になったのではないか、というのが私の結論である。 . . . 本文を読む
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