国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

ドイツの主要紙に、EUは米国との同盟をやめてロシアと同盟すべき、と言う記事が掲載された

2009年11月14日 | 欧州
ドイツの主要紙に、EUは米国との同盟をやめてロシアと同盟すべき、と言う記事が掲載された。この記事では、ドイツ地政学の創始者であるKarl Haushoferと、ロシアの極右イデオロギー信奉者であるAlexander Duginが取り上げられており、著者はDuginの提案する「Pax Eurasiatica」の概念を推奨しているという。Duginのいうユーラシアの範囲は、スペイン南西部の港町であるカディスからロシア極東のウラジオストクまでであり、欧州大陸+ロシアが中心である。また、Duginはイランやトルコ民族、アラブ民族との同盟を打ち出している。 パックスアメリカーナの終焉と共に、世界はパックスアメリカーナ以前の世界へと戻りつつあるように思われる。しかし、単純に戻っているのではない。この百年間にドイツとフランス、ドイツとロシアが戦ったことを反省して、戦争によらない、国家連合による覇権体制が誕生しつつある。ロシアとドイツの同盟もその一例であり、将来的にはEUとロシアは統合されてゆくことになるだろう。 ユーラシアの東側でも同様の事態が起きることだろう。ペリー来航前の世界、あるいは第二次大戦前の世界へと東アジアは回帰してゆくはずである。当然、株式日記の言うように、日米同盟は解消される方向に向かうだろう。その後の東アジアは、日本・ロシア・中国・インドの四大国の同意によって全てを取り仕切るシステムになっていくと私は予想している。また、日本・中国・ASEAN・オーストラリア・ニュージーランド・インドを含む東アジア共同体が大東亜共栄圏の後継組織として結成され、その中で日本が指導的役割を果たしていくことになるだろう。ドイツ紙の記事にあるように、東アジア共同体の内部でも、小国の主権は覇権国によって制限される様になっていくことだろう。 . . . 本文を読む
コメント (10)