「今回は僕とメッサーのおはなしや!」
さて、すっかり立派に成長したぽちたち。
休みの日には少し離れた公園などへみんなで遊びに出かけたりもすることに。
そうなると、どこにでも入り込め小回りの利くこの車が一番便利!
「メッサーシュミットKR200やで!」
戦後の物資不足の中に生まれたこの小さな三輪自動車。
エアコンはもちろんパワーもないのでとても非力!
ですがこうして大人二人とわんこを運ぶくらいは余裕でこなせるので、
私はことあるごとにこいつを引っ張り出してはぽち家族を乗せて走り回っておりました。
すると、ぽちはすぐのこのメッサーを引っ張り出す準備に気が付くようになり、
私がわんこに関係なく乗ろうとしたときなども、階段の上でお利口にお座りをしては、
「準備万端です!さあ行きましょう♪」
と、すっかりその気で出待ちをしだしました。
そうなると、そのまま置いていくわけにもいかず、結局はポチと二人でメッサードライブ。
そんなことを繰り返していると、やがてポチはこう思うように…
「このメッサーはぼくのやねん!」
ですので、ドライブ中窓から覗き込む人がいれば…
「これ、ぼくのメッサーですねん♪」
運転中も時折私の方を振り向いては…
「ぼくのメッサーカッコええね♪」
と、とっても自慢げ♪
これは10歳を超えたシニア期に入っても全く変わらず。
それどころか、18~9歳といった超シニア期になり、
失明し耳も遠くなり、ほぼ一日中寝ているような感じになったとき。
「連れだすのは可愛そうかな…?」
こちらが体調を気にして連れ出すのをためらうようになってきた頃でも…
「さ、ぼくの準備はええよ!」
と、乗る気満々でスタンバイ!
見えない目、聞こえない耳であるにもかかわらず、
3階にいるこの子は、1階でメッサーの準備をする私に気づき、階段前で大騒ぎしていたのでした。
そういうわけで、本当に最後の最後まで、この赤いメッサーはポチの車。
ずっとずっと、本当に一緒に楽しくドライブしました。
こんな感じでぽちはメッサーに乗ること自体が好きであったのですが、
やはり、ドライブ先でいっぱいいっぱい、思う存分遊べることもすごく楽しみであった様子。
特に大きな芝生広場のある公園や、広々とした河原が大好きで、
良く出かけてはボール投げや追いかけっこなどをして楽しく一緒に遊びました。
「待て待て~!」
「わはははは♪」
「逃げろ!逃げろ~!」
「楽しい♪楽しい♪」
そしてシニアさんとなり目も耳もダメになりまた体力も衰えて、
もう以前のように元気に走り回れなくなってからも…
「足の裏楽しい~♪」
「あ!あっちから何かいい匂いが!」
「おやつ発見~!」
と、残る五感をフルに活用し、お出かけを楽しみました。
そして行き帰りはメサーの中で夢の中。
「zzzzzzzz…」
どんなにガタゴト揺れたとしても、ぽちはこのように気持ち良さげに眠るから、
「メッサーはぽち君の揺りかごやね…」
そう呟きながら運転席であの子の体をさすり続ける私なのでありました。
こういう感じであったから、私のなKでもこの車はポチのもの。
だからあの子が旅立ったのちこういうお話を書きました。
ぽちのなぞなぞ">ぽちのなぞなぞ
そしてまた、この気持ちが強すぎるからでしょうか…
あの日、ぽちが旅立ってからというもの、
私は一切メッサーには乗っておらず、フードを開けることすらできておりません。
なんだか、あの子なしで乗るということが考えられず、楽しむこともできないような感じ。
思えばこの車に乗り始めて36年。
その半分以上をぽちたちとともに乗っていた訳ですから…
だけども、もう少し。
あともう少し経てば…
また笑顔でこいつに乗れるような気もします。
その時はぜひポチも一緒に!
**スライド動画**
ぽちのこと ~メッサーぽち~
**追記**
そんなわけで、先日久しぶりにメッサーに乗ってみました。
ぽちのいない運転席は、やたら広々としていましたが、
そこには今もあの子の笑顔がいっぱいある気がしましたよ。
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