計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

この冬はAO?

2010年01月14日 | 気象情報の現場から
 この週末は大学入試センター試験ですね。大学入試の多様化に伴い、様々なAO入試も実施されています。

 天気予報の解説でも「北極からの寒気が放出されるパターン」というフレーズが度々出てきたので、今年の冬の激しい豪雪は「北極振動」の影響ではないか、と見ています。

 北極振動(AO)というのは、勿論「AO入試」とは別物で、簡単に言うと北極と北半球中緯度の気圧が互いにシーソーのように変動する現象です。つまり、北極の気圧が平年よりも高い時には中緯度の気圧が平年よりも低くなり、その一方で北極の気圧が平年よりも低い時には中緯度の気圧は平年よりも高くなると言うわけです。また、北極と中緯度の気圧の気圧の偏差の程度を表す値の事を「北極振動指数」と言います。

 北極振動指数が正の時は「北極の気圧が平年よりも低く、中緯度の気圧は平年よりも高く」なる一方、北極振動指数が負の時は「北極の気圧が平年よりも高く、中緯度の気圧は平年よりも低く」なります。つまり、北極振動指数が負を示すパターンの時には、北極からの寒気が南方の中緯度地域に放出されるパターンとなり、日本海側で豪雪が発生しやすいと言う事なのです。

 ここ2~3日の大雪はそれこそ第一級の寒気とも最強クラスとも称されているようですが、予報によると週明けからは気温も次第に上がってくる見通しです。

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