暦は師走を迎えました。いよいよ本格的な冬の幕開けです。この記事では、私にとって重要な専門分野である「山形県の局地気象」をテーマに、山形県の地形や降雪量の分布、そしてこれまでの私が取り組んできた研究の概要を振り返ろうと思います。
山形県は東北地方南部の日本海側に位置し、北に丁岳山地や神室山地、東に奥羽山脈、南に飯豊連峰と吾妻連峰、そして県央に朝日連峰が連なっています。
山形県は庄内(しょうない)・最上(もがみ)・村山(むらやま)・置賜(おきたま)の4つの地域に分けられます。私の故郷は南部の置賜地域に当たります。 この「置賜地域の雪の降る条件やメカニズム」が私の気象予報士としての出発点でもあり、長年にわたって取り組んでいる研究テーマです。
1989年12月~2013年3月までの各12月~翌03月末までの4か月間のシーズン降雪量の平均値を求めてみました。 山形県を横顔に例えると、ちょうど頬骨の辺りで降雪量のピークとなるところがあります。ここが温泉で有名な「肘折(1401cm)」です。
そして顎の奥側、最も右下(南東)にあるのが「米沢市(729cm)」です。降雪量の特に多い領域(極大域)は、朝日連峰の位置と概ね重なっています。その右側(東側)では降雪量の特に少ない領域(極小域)が目立っています。そのまた右側(東側)には、奥羽山脈(脊梁山脈)が連なっています。降雪量の分布と地形の分布は概ね一致しているようですね。
続いては、私が独自に研究・開発を進めている、山形県の3次元熱流体数値モデル(工学モデル)のイメージです。左側の日本海上からは右側に向かって西~西北西の季節風が流れ込みますが、このような複雑な地形を影響により、山間部ではその流れ方が乱されます。季節風の条件に応じて、陸上の流れがどのように乱れ、それに応じて降水域の分布が形成されるのか、が重要なファクターとなってきます。
左側は北西の季節風、右側は西北西の季節風の条件を与えた場合の数値シミュレーションの結果の例です。カラーは積算降水量のレベルを表しています。朝日連峰周辺とその南東側(置賜地域)と北東側(最上地域)にそれぞれ降水域が広がっている特性が再現されています。(※この数値シミュレーションは現在も改良・検討を重ねており、研究論文を投稿中です)。
私は、米沢市周辺でまとまった降雪を予想するための目安としては経験上「上空1400m付近で-9~-12℃、西~西北西の風14~15m/s以上」を考えています。また、その時の地上の気圧配置も、南北に走る等圧線の本数が多く、しかもその間隔が狭く、密集しており、見るからに「典型的な冬型の気圧配置」となっております。このような気圧配置は「山雪型」と言います。
米沢市の冬季の除雪車の出動基準は「朝までの降雪量が10㎝ 以上と予想されるとき(3月1日以降は15㎝以上)」と定められています。除雪作業は車道が午前3時〜7時、歩道は午前4時〜7時と、道路混雑を避けるため主に早朝に実施しています。
米沢における、過去6シーズン(2008~2013年の各1~2月)を通しての、3時間降雪量が1cm以上となる降雪の発生件数を時間帯別に示しました。 米沢は午後から夜間にかけて増加し、6~12時すなわち除雪作業の直後にピークが現れる傾向が見られました。
(この特性については、引き続き調査中・・・今シーズンはこちらがメインになるかも)
山形県は東北地方南部の日本海側に位置し、北に丁岳山地や神室山地、東に奥羽山脈、南に飯豊連峰と吾妻連峰、そして県央に朝日連峰が連なっています。
山形県は庄内(しょうない)・最上(もがみ)・村山(むらやま)・置賜(おきたま)の4つの地域に分けられます。私の故郷は南部の置賜地域に当たります。 この「置賜地域の雪の降る条件やメカニズム」が私の気象予報士としての出発点でもあり、長年にわたって取り組んでいる研究テーマです。
1989年12月~2013年3月までの各12月~翌03月末までの4か月間のシーズン降雪量の平均値を求めてみました。 山形県を横顔に例えると、ちょうど頬骨の辺りで降雪量のピークとなるところがあります。ここが温泉で有名な「肘折(1401cm)」です。
そして顎の奥側、最も右下(南東)にあるのが「米沢市(729cm)」です。降雪量の特に多い領域(極大域)は、朝日連峰の位置と概ね重なっています。その右側(東側)では降雪量の特に少ない領域(極小域)が目立っています。そのまた右側(東側)には、奥羽山脈(脊梁山脈)が連なっています。降雪量の分布と地形の分布は概ね一致しているようですね。
続いては、私が独自に研究・開発を進めている、山形県の3次元熱流体数値モデル(工学モデル)のイメージです。左側の日本海上からは右側に向かって西~西北西の季節風が流れ込みますが、このような複雑な地形を影響により、山間部ではその流れ方が乱されます。季節風の条件に応じて、陸上の流れがどのように乱れ、それに応じて降水域の分布が形成されるのか、が重要なファクターとなってきます。
左側は北西の季節風、右側は西北西の季節風の条件を与えた場合の数値シミュレーションの結果の例です。カラーは積算降水量のレベルを表しています。朝日連峰周辺とその南東側(置賜地域)と北東側(最上地域)にそれぞれ降水域が広がっている特性が再現されています。(※この数値シミュレーションは現在も改良・検討を重ねており、研究論文を投稿中です)。
私は、米沢市周辺でまとまった降雪を予想するための目安としては経験上「上空1400m付近で-9~-12℃、西~西北西の風14~15m/s以上」を考えています。また、その時の地上の気圧配置も、南北に走る等圧線の本数が多く、しかもその間隔が狭く、密集しており、見るからに「典型的な冬型の気圧配置」となっております。このような気圧配置は「山雪型」と言います。
米沢市の冬季の除雪車の出動基準は「朝までの降雪量が10㎝ 以上と予想されるとき(3月1日以降は15㎝以上)」と定められています。除雪作業は車道が午前3時〜7時、歩道は午前4時〜7時と、道路混雑を避けるため主に早朝に実施しています。
米沢における、過去6シーズン(2008~2013年の各1~2月)を通しての、3時間降雪量が1cm以上となる降雪の発生件数を時間帯別に示しました。 米沢は午後から夜間にかけて増加し、6~12時すなわち除雪作業の直後にピークが現れる傾向が見られました。
(この特性については、引き続き調査中・・・今シーズンはこちらがメインになるかも)