計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

2020年12月中旬の大雪

2020年12月22日 | 山形県の局地気象
 2020年12月14日~20日の山形県内における積算降水量(単位:mm)の分布を調べてみました。朝日連峰と飯豊連峰の付近で200mm以上の極大域が形成されています。続いて100mm以上の降水域の分布に注目すると、うっすらと「C」字型の特徴が見て取れます。


 今回の大雪の背景としては次の3点が挙げられます。

(1) 夏からのラニーニャ現象の継続に加え、負の北極振動の影響が加わったため、日本付近の上空で非常に強い寒気が南下しました。

(2) 日本海の海水温が平年より高めで推移していました。さらに上空の強い寒気の影響が加わり、鉛直方向の温度差が大きくなったため、大気の不安定性が増しました。この結果、日本海上の対流がより活発化したことが考えられます。

(3) 西高東低型の気圧配置で気圧傾度が大きく、北西季節風は強くなる傾向が見られました。この結果、山沿いの地域を中心に大雪となったものと考えられます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする