◎神に愛され、神を愛する人びと
『愛について問われたラービアはこう答えた。
「愛は、始まりなき永遠から出て、終わりなき永遠へと向ったが、一万八千世界に、一人として、愛の果汁を一滴だに飲もうとする者は現われなかった。 最後に、愛は神にまで達し この言葉を残した。すなわち、“神に愛され、神を愛する人びと“〔コーラン第五章五四節〕』
イスラーム神秘主義聖者列伝 ファリード・ゥッディーン・ムハンマド・アッタール/著 国書刊行会P69-70から引用)
神あっての人であり、人あっての神。迷いあっての悟りであって、悟りあっての迷い。
有史以来一人として、愛の果汁を一滴だに飲もうとする者は現われなかったとは、生もなく死も無く人もない永遠不壊の世界のことであり、それはかえってすべての人は愛に生きているということ。