◎在家の菩薩が道を説くようにならな、みろくの世はこない
(2017-12-17)
40年ほど前の学生の時に、『巨人出口王仁三郎/出口京太郎』を読んだのが、私と出口王仁三郎の出会いだった。それ以前に高橋和巳の邪宗門を読んだのだが、あまりピンとは来なかった。
これ以後、大本神諭の天の巻、火の巻を大学図書館で閲覧したが、内容があまりにも世紀末的なのにドキドキしたことを覚えている。
大本教の信者であったことはないのだが、大学生の一時期霊界物語をいつも一冊持ち歩いて外出時にも霊界物語を寸暇を惜しんで(それなりに忙しかった?)読み進めた時期もあった。
いま巨人出口王仁三郎を読むと、内容があまりにも濃厚、かつ出来事の分量も膨大すぎて、通常の偉人でいえば、30人前くらいの仕事を一生でこなしている印象がある。
まして出口王仁三郎の周辺知識を持たない学生がこれを読んでも、まともに理解できるのは、超能力のところと、二度にわたる教団への弾圧のところくらいだったろうと思う。
出口王仁三郎を理解する道具立てとしては、
1.明治維新の薩長米英仏主導の経緯
2.出口王仁三郎の有栖川宮ご落胤説
3.明治天皇も西郷隆盛も写真がない理由と孝明天皇、14代将軍家茂の早世の原因
4.軍部、右翼、皇族との関係
5.戦後の大本系新興宗教教団(神道天行居、生長の家、世界救世教、三五教など)の隆盛と日本会議への流れ
6.国家神道の発展と解体
7.薩摩出身の古神道家本田親徳との出会い
8.チャネラー出口ナオ
9.二度の大本教弾圧事件
10.信者への帰神メソッド(チャネリング)の放棄
11.七福神の位置づけ
12.第二次大本教事件前夜に教団のご神体をすり替え、それを笹目秀和をして崑崙山中に返還せしめたこと。(巨人出口王仁三郎にすり替えシーンの記述がある。また笹目秀和の「神仙の寵児」はその経緯である。)
13.昭和神聖会
(対石屋姿勢の転換)
14.古事記復興としての霊界物語と日本の予言である瑞能神歌
15.戦後世界の未来のプロトタイプとしての第二次大本教事件
16.霊界宇宙の呈示(霊界物語)
17.言霊の大要の呈示(霊界物語)
18.死の技術としての古神道再提示(出口王仁三郎は六度死ぬ)
19.超能力の使い過ぎ
(アストラル・トリップ、自動書記、霊縛、透視、未来予言、念力、他心通)
今の学生さんや若い人に必読書を挙げるとすれば、次のようなところだろう。
・巨人出口王仁三郎/出口京太郎
・モンゴル神仙邂逅記/笹目秀和
・霊界物語
・新月の光/木庭次守
・道の大原
・瑞能神歌
・出口王仁三郎全集全八巻(国会図書館デジタルアーカイブからダウンロードできるやつで天声社)
・惟神の道(国会図書館デジタルアーカイブ)
『巨人出口王仁三郎/出口京太郎/講談社』の中に「在家の菩薩が道を説くようにならな、みろくの世はこない」(上掲書P311から引用)という出口王仁三郎の発言がある。
在家の菩薩とは、在家で神知る人、仏知る人で悟った人のことである。
平素から坐るようにならないと。コンビニのお兄さんお姉さんも坐る時代にならないと。