ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

入間航空祭

2012-11-05 | 自衛隊

鷲さんに教えていただいて、週末土曜、入間の航空祭に行って参りました。

この空自の航空祭は毎年行われているのだそうですが、
勿論それを知ったのも今回が初めて。
海軍海自のフネに最近は夢中でしたが、よくよく考えれば、
そもそもの始まりは海軍航空隊に興味を持ったことからだったのです。

もうこれは万難を排しても行くしかない。

事前にリサーチすると、当日は何万人もの見学者が訪れる超人気イベント。
観艦式や観閲式のように入場のための事前申し込みもいりませんし、
広い入間基地のどこからでも空の飛行機は見えるわけですから、
それこそ当日、航空祭のために基地に人がなだれ込み、
入間基地のある稲荷山公園駅に向かう池袋発特急は臨時便を出すほどです。



というわけで、池袋発の特急を事前にインターネット予約したのですが、
日頃電車に乗らないエリス中尉、大変な誤算をしていました。
グーグルで調べたところ、「六本木から池袋までは30分」
と書いてあったのでそれを鵜呑みにしていたのですが、
都内の電車乗り継ぎには大変な落とし穴があったのです。

皆さん、地下鉄大江戸線、乗ったことあります?

何で地底二万マイルにホームがあるんですか?
核攻撃に備えたシェルター兼用ですか?

目もくらむような長いエスカレーター、駆け上って頂上にたどり着き、
息を切らしながら見ると、そこには駆け上ってきたのと同じくらいの長さのエスカレーターが・・。
おまけに、スイカもパスモも持っていないため、切符を買うのに無駄な時間かかりすぎ。
だいたい新宿駅の乗り継ぎだけで数分かかるなんてどこにも書いてなかったぞ!

9時の予約した特急には完璧に遅刻。(発券は発車十分前まで)
まっすぐ予約券売り場に行って次の特急を予約することができたものの、
人身事故のためダイヤが乱れており、さらに20分遅れ・・・・。

あああもうこれでいったいどれほどの貴重な演技を見逃したことか。



電車から見えてきた入間基地(の一部)。
車窓からT-4の飛来が見え、航空祭とは関係ない乗客もどよめいていました。

後から調べると、YS-11FCとU-125、そしてT-4の展示が朝から行われたことが判明。

 

臨時出口から出ないで北門から入ってしまいました。
すると、前方の建物越しに、




飛行機部分アップ。



遠目にはヘリのように見えていたのですが、C-1でした。
なんかこの飛行機凄くないですか?
いかにも陸自らしい、というのも変な表現ですが、ずんぐりした機体は、
「蛾」とかアマゾンの魚「ピラルク」に喩えたくなるような不気味な感じが漂っています。

あ、これ誉めてますから。




いかついなあ・・。
翼の日の丸が妙に小さい。

C-1は武装を持たない輸送機です。
迷彩カラーの上面塗装、そして下から見るとグレー。
一応地上から視認性の低い色となっています。

同じ中型輸送機で、水色のC-130Hというものが自衛隊には存在しますが、
これはイラク派遣のとき、地上から空を見上げたときの視認性を低くするため
塗装されたと言うことです。

イラクでは空はほとんどブルーだということだったのでしょうか。

しかし、この迷彩、地表にあるときどの程度のカモフラージュになるのでしょうか。
ある飛行機乗りに言わせると、上空から見た場合も
「わかりますよ」(あっさり)ということです。
まあ、ジャングルの中とかなら有効なのかもしれませんが。

今日は機から落下傘部隊の降下が行われます。




陸上自衛隊の空挺団落下訓練です。
そこでミュージックスタート!

♪藍より蒼き~大空に~(略)見よ落下傘~空に飛ぶ~♪

・・・・ではなかったんですよね。実際は。
当たり前の話かもしれませんが。時代にもフィットしないだろうし。
しかし「空の神兵」は空挺団のテーマソングだと聞いていたのですが、
今はもう違うのでしょうか?



10人の部隊のようですね。
昔「空の神兵の作り方」という項で、バレンパン空挺作戦に参加した
空挺団の落下傘部隊を描いた映画について書いたことがあります。

そのときの訓練も過酷に見えましたが、いまでも空挺団の訓練は激しいものだとか。
「空挺団は陸自最強」(レンジャー除く)という噂もあるくらいです。

ついでに、習志野基地での訓練中、日大キャンパスに降りてしまう隊員がいるらしい、
という話も聞きましたが、これは果たして本当でしょうか。

もし本当だったとして、もしそうなってしまったら、その隊員はたたんだ落下傘をかかえて、
キャンパスを駆け抜け、一般道を走って隊に戻るのでしょうか。




空中での姿勢も、決して「ぶら下がってるだけ」ではありません。
落下傘の「窓」のような部分ですが、空気が抜ける仕様になっており、
これがためコントロールしやすくなるのだそうです。

降下訓練は空挺団ならずとも一般の航空隊員も行います。
中には
「飛行機に乗るのはいっこうに平気だが、落下傘は怖い」
というパイロットも、結構多いのではないかと察せられます。

だって、いかに現代の装備が安全性を重視して改良されているとは言え、
飛び降りる瞬間はまったくのフリーフォールですからね。

しかし、歌にこだわるようですが
「真白き薔薇の花模様」という歌詞があるというのに、
この落下傘の、よりによってこの茶色はいかなることか。

「茶色じゃねえ!ゴールドだゴールド!」
という声も聞えてきますが、真っ青な空に浮かぶ純白の落下傘、
この美しい歌のイメージからすると、この色はどうにもいただけませんわ。


真白い落下傘と「空の神兵」、カムバ~~~~ック!



綺麗な編隊ですね。
こんなばかでかい機体でも定規で測ったようにきっちり飛行できるというのが凄い。
そして、今ちょうど車輪を出していますが、三機とも同じだけ窓が開いていますね。
脚を出すタイミングも「せーの!」で合わせるのですね。


そして、これを見よ。



残念ながらこの後何をするつもりなのか全く読めなかったため、
ベストのタイミングで撮れなかったのが残念ですが、
この大きな機体が空中で90度機体を傾けて旋回しようとする瞬間。

 

なんと、輸送機の分際で機動能力は抜群です。



とても中型に見えないどすこい体型の輸送機C-1。



この機は、世界の同クラスの輸送機の中でも大型に属します。
(全長29メートルで全幅30,6メートル)
この独特の羽の斜角は後退角20度。
いかにも重厚性のある機体で、製作は川崎重工です。
エンジンは噴射式のターボエンジンを主翼に二基搭載していて、そのため、
短い滑走路からの離陸が可能な上、上空でも高速性能に優れているのです。
90度旋回などこう見えて軽々とやってしまうとか。



皆様、これはC-130Hでございましょうか?

えー、当初この地上展示されていた迷彩柄にダマサレて、混乱しており、
おのおの方から指摘はいりました。
編隊飛行をしている写真は結局全部C-1であった、ってことでよろしいでしょうか?

ていうか尾翼の形が全然違いましたね。



ちなみにこの在日米軍のC-130のコールサインは「スモウ」。
小松基地のC-130Hは「キャメル」だそうです。

同じ機体でも基地が替わると名前も変わるようで、小牧基地の同型機は
「ユナイテッドネーション」。


全く関係ないですが、厚木基地のP-3Cはなんとコールサイン「ルシファー」。

・・・・・・・・・哨戒機が堕天使ですかそうですか。



異種混合の編隊を組むC-1とU-4(たぶん)。
U-4はボディがまるで旅客機です。
それもそのはず、U-4,ガルフストリームはジェットビジネス機。
要人輸送などの任務を負うこともある機種です。
こうして編隊を組んでいるのを見ると
「ハンサムでスマートな若社長とそれをガードするプロレスラー上がりの用心棒」って感じです。
しかしこう見えても三機で編隊を組んで旋回をやってのけたんですね~。

「機種は違えど心は一つ!」

というアナウンスが、確か流れていました。


ところで、C-1のこの体型にして、見かけによらない機敏さ、
とんでもない連想なのですが、ふと、筒井康隆の「走る取的」という恐怖小説
(スピルバーグの『激突!』みたいなノリだけど、追いかけてくるのがなぜか相撲取り)
を思い出してしまった・・・・。

乗員の皆様、すみませんっ!!!




航空祭の様子。
あまり人がいるように見えない、って?

それはもう、ここに来るみんなのお目当ては昼過ぎからのブルーインパルス。
そのときにはエプロンに人が押しかけ、大変なことに・・・。
前列ではなく後ろに下がった方が上空はよく見えるという状態になっていました。

ブルーインパルスの演技についてはまた次回ご報告します。