わざと人に逆らったり、人の邪魔をする人やひねくれ者のことを「あまのじゃく(天邪鬼)」と言いますが、そのような人があなたの周りにいませんか?
今日は「あまのじゃく(天邪鬼)」について調べてみました。
「あまのじゃく(天邪鬼)」は、「天探女(あまのさぐめ)」という悪神の名前が転訛し、「あまのじゃく」になったと言われています。
天探女は『古事記』や『日本書紀』の神話に出てくる神様で、人の心の内を探り、意に逆らうことばかりするひねくれた神でした。
そこから、あまのじゃく=「人の意に逆らうひねくれもの」の意味になったそうです。
(説話)
日本神話に登場する天稚彦(あめのわかひこ)は葦原中国(あしはらのなかつくに)を平定するために天照大神によって遣わされたが、務めを忘れて大国主神の娘を妻として8年経っても戻らなかった神です。
そこで次に雉名鳴女(きぎしななきめ)を使者として天稚彦(あめのわかひこ)のもとへ遣わしますが、天稚彦は仕えていた天探女(あまのさぐめ)から告げられて雉名鳴女を矢で射殺します。
しかし、その矢が天から射返されて、天稚彦自身も死んでしまいます。
天探女(あまのさぐめ)は、天の動きや未来、人の心を探ることができる呪術師的な存在とされ、この説話が後に人の心を読み取って反対に悪戯をしかける小鬼へと変化していったようです。
本来、天探女(あまのさぐめ)は悪者ではありませんでしたが、天稚彦(あめのわかひこ)に告げ口をしたことから、天の邪魔をする鬼、つまり「天邪鬼」となったといわれています。
天邪鬼は「人の心を見計らって悪戯をしかける子鬼」とされることから転じて、現代では、わざと他者に逆らうような言動をするひねくれ者や本心に素直になれず周囲に反発するような人を指して、「あまのじゃく」と呼ばれています。