鍋料理に欠かせない食材の一つに「菊菜」があります。
この菊菜は菊の花を咲かせるのですが、ご存じでしたか?
先日、畑の冬物野菜を植えた畝の整理をしていたところ、菊菜が40~50㎝ほどに伸びて花を咲かせていました。
家庭菜園歴が数十年になる私ですが、花が咲いた菊菜を見るのは初めてです。
何故なら、収穫が終わると次の植え付けのために菊菜の株を早々に片付け、花が咲くまで残さないからです。
勿論、スーパーなどでも花が咲いた菊菜は売られていないので、皆様もご覧になったことはないのではありませんか?
そこで今日は珍しい菊菜の花をご紹介します。
・これが収穫の後に咲いた菊菜の花です。
「菊菜」
鍋料理に欠かせない菊菜はキク科シュンギク属の一年草です。
原産地は地中海沿岸で、日本には室町時代に中国を経て渡来し、西日本を中心に栽培されるようになりました。
戦後、食生活の洋風化に伴って香味野菜としての需要も増加して各地で栽培が広まったようです。
中国では漢方薬として使用されていますが欧米では、キクの香りがあまり好まれないことから、観賞用の植物として栽培されているということです。
「花」
なお、菊菜の花は、・春に種を蒔いた場合は、6月の終わりから~7月にかけて
・秋に種を蒔いた場合は、2月の終わりから3月にかけて、収穫せずに置いておくと花が咲くようです。
この花には毒がないので食べられるようですが、菜の花のようにおいしくはありません。
しかし、料理に使ったり、一輪挿しや生け花などで活用する方法もあるので、捨てる前に有効な活用法を考えてみるのもいいのではないかという事です。
私は何も考えずに片付けてしまいました。
・蕾も秋に咲く小菊と同じような形です。
「呼び名」
菊菜は各地で呼び名が異なっているようです。
東日本では春に咲く菊という意味から「春菊」、関西では、葉や花の形、その香りから「菊菜」とも呼ばれています。
そしてその種類は、九州・中国地方では大葉系が、関西では中葉系、そして関東以北では小葉系が主に栽培されているようです。
その三種の特徴は、
・大葉(おおば)種・・・切り込みが浅く、柔らかくてえぐみが少ない。
・中葉(ちゅうば)種・・・切り込みがあって香りが強い。
・小葉(こば)種・・・切り込みが深くて香りが強い。
という事です。
・除虫菊の中央部を黄色に塗ったような菊菜の花です。