先日のNHKニュースで、京都市の東本願寺の前に、長さが12メートルもある大きな「こけし」をかたどったアート作品が展示されたと紹介していました。
この作品は、大阪市に住む男性2人組のアートユニット、「Yotta」が、京都市下京区の東本願寺の御影堂門の前に展示したもので、訪れた人たちの注目を集めています。
こけしの名前は花子と言い、東北地方のこけしを参考に作られたそうです。
防水加工した厚手の生地を空気で膨らませた、この「こけし」は、微笑みを浮かべながら横たわっており、こけしからは「ゆっくりしていってね!」といった音声も流れ、訪れた人たちは驚いたり、写真に撮ったりして、楽しんでいるようです。
この巨大こけしは、明日12日まで展示されます。
・長さが12メートルもある大きな「こけし」の花子です。
ところで、私たちには馴染み深い「こけし」にはどのような意味があるのでしょうか?
「こけしの由来」
こけしとは、東北地方に共通する名産品で郷土玩具です。
ろくろで挽いて作った木製の人形玩具に、一般的には丸い頭部に顔が書き入れられ、手足はなく円筒状の胴というシンプルな姿をしていますが、その由来には諸説あります。
その一つとして考えられているのは、仏像が変化したものではないかという説です。
他には、木地師(きじし)と呼ばれる木工職人たちが、山の神信仰をもとにしてこけしを作ったのが由来だとする説もあります。
更に、山間部で冬の仕事がないときに、ミズキやケヤキ、桜などの木材を加工して赤ん坊や幼児が握りやすい太さのこけしを作り、おしゃぶりやおもちゃとして与えたとする説などがあります。
「名前の由来」
こけしが誕生した当初は共通の名称はなく、木で作ったから「きでこ」、芥子(けし)人形からきた「こげす」、魔除けの人形這子(ほうこ)からきた「きぼこ」など、各地で異なる名前で呼ばれていました。
漢字では、木を削ってできたから「木削子(こげし)」と表記されたり、江戸時代の男児や女児たちの髪型、芥子坊主(けしぼうす)に似ていたから「小芥子(こけし)」と表記されたりしていました。
しかし、あまりにも名称が多過ぎてそれでは不便だということで、1940年(昭和15年)にこけし工人(職人)や愛好家などの関係者が集い「こけし」とひらがな3文字に統一することが決められたという事です。
こけしは、お土産や縁起物として全国に広まった東北地方を代表する伝統工芸品です。
東北方面にご旅行された時は、お土産に「こけし」を検討されては如何でしょうか?