らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

岡山の方言「はしる」

2023-03-25 | 地元紹介

岡山の方言に「はしる」があります。
「Run」の走るではありません。
ひりひり痛むとか沁み込むような痛みの時に使います。
岡山県出身の私は故郷を離れて半世紀以上になり、すっかり忘れていた言葉なのですが、先日、新聞のコラムに載っていたので、懐かしい方言をご紹介したく取り上げました。

「コラム」
コラムには、次のように書かれていました。
広島出身の知人から「歯がはしって辛い」との理由で会食を欠席したい旨の連絡がSNSグループに回ってきた。「お大事に」と即座に反応したのが岡山県人。中国地方特有の言い回しで歯がズキズキ痛むのである。
「痛みが走る」は共通語だが、「火傷(やけど)がはしる」など、具体的な患部が「はしる」のは方言的な用法だ。突き刺すような激しい痛みを表すのにはぴったりの表現だと言う。
(中略)
ところで、激しい歯の痛みにおそわれると、我慢できずに歯医者へ走って行きたくなるほどだが、そんな語源説は何処にも見当たらなかった。

「使用例」
コラムに「具体的な患部が ”はしる”のは方言的な用法だ」と書かれているように、「はしる」は岡山の方言で「沁みる」とか「沁みて痛い」という意味で使用されます。
私が子供のとき、怪我して傷口にヨードチンキ(赤チン)を塗られた時、痛みをこらえて、
「うー、はしる~!」
のようによく言ったものです。
この「はしる(痛み)」は消毒液を塗られた時、傷口から沁み込む痛みで、どのような痛みなのかは年配の方なら想像がつくと思います。

「語源」
「はしる」の語源は『走る』なのだそうです。
 これは消毒で周辺を走り回りたくなるような痛みを感じることを表現しており、標準語だと「沁みる」に相当します。

「言葉は国の手形」という諺があります。
岡山県で現在でも「はしる」が使用されているのかどうかは知りませんが、もし、使用されていないとすれば、故郷の手形が一つなくなったことになり、少し寂しさを感じます。