「柚子胡椒」って、ご存知だと思います。
ピリリと辛くて、スーッとさわやかな独特の風味が特徴の万能調味料です。
元々は大分県日田市の農家が自家用に作っていた調味料でした。
ソバやうどん、鍋や焼き肉など、様々な料理に合う万能調味料として、すっかり認知度を高めた「柚子胡椒」ですが、「胡椒」という名称がありながら胡椒が一切入っていません。
何故なのでしょうか?
「柚子胡椒」
柚子胡椒は、調味料の一種で、唐辛子を粗刻みにし、柚子の果皮と食塩を入れて磨り潰し、熟成させたものです。
発祥の地である九州では一般的な調味料として多くの料理で使用されています。
柚子胡椒の原材料は「唐辛子、食塩、柚子表皮」で、唐辛子は青唐辛子を用いるのが一般的で、赤唐辛子が用いられる場合もあります。
青唐辛子と青柚子なら緑色、赤唐辛子と黄柚子なら朱色の柚子胡椒に仕上がります。
一般的に緑色の物は辛味が強く、赤色の物は香りが強いということです。
「柚子胡椒なのに胡椒が入っていない」
この万能調味料の「柚子胡椒」ですが、実は胡椒が入っていません。
前記したように柚子胡椒の原材料は「唐辛子、食塩、柚子表皮」です。
ピリッ辛いのは唐辛子で、胡椒は入っていないのです。
本来ならば「柚子胡椒」ではなく、「ユズ唐辛子」となるべき名称ですが、柚子胡椒の発祥の地では唐辛子のことを胡椒と呼ぶことから、この名前になったようです。
「唐辛子が何故胡椒なのか?」
では、柚子胡椒の地元大分県日田市では「唐辛子」のことを何故「胡椒」と言うのでしょうか?
そもそも胡椒と唐辛子は全くの別物で、見た目も違えば辛味の傾向もまるで似ていません。
それなのに何故 唐辛子を胡椒と呼ぶようになったのかというと、一説には九州と中国の関係が大きく影響しているということです。
江戸時代、九州は中国との貿易が盛んで、中国には多大な恩恵を受けていました。
しかし、唐辛子は「唐枯らし」と同じ音だったことから唐(中国)を枯らすとは縁起が悪いということで、唐辛子という言葉を忌み嫌い、辛い物つながりで胡椒と呼ぶようになったと言われています。
そして一般的な「コショウ」は「洋胡椒」と呼んで区別しているようです。
「使用される料理」
なお、万能調味料の「柚子胡椒」ですが、地元では鍋料理や味噌汁、刺身、天ぷら、焼き鳥、おでん、豆腐などの和風料理の薬味として用いられているようです。
更に、近年、全国的に知られるようになってからは様々な使い方がされています。
例えば、スパゲティ、サラダドレッシング、豚カツ、ラーメン、シュウマイなどに用いられているということです。