らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「不入山」の埋蔵金伝説

2023-09-09 | 雑学

NHKの番組に「にっぽん百低山」があります。
この番組は「やま 高 たか きが 故 ゆえ に 貴 たっと からず」のナレーションで始まり、毎週1000㍍前後の山を紹介しているものです。
先日は高知県の標高1336㍍の「不入山」を紹介していました。

「不入山」
「不入山」と書いて「いらずやま」と読みます。
「不入山」は高知県 西部 四国山地のただ中に位置する標高1336mの山です。
この山は「日本最後の清流」と言われている四万十川の源流となっており、平家の落人が財宝を隠したと伝わる埋蔵金伝説がある山で、嘗ては人が立ち入ることが許されなかったと伝えられています。

何故、立ち入りが許されなかったのでしょうか?

「不入山名前の由来」
立ち入りが許されなかった理由には諸説あります。
その一つは、平家の落人が、平家を再興するための財宝、現在の価値で40億円と言われる埋蔵金が隠されていることから立ち入ることを禁止したとする説や、土佐藩の留山(とめやま)制度から立ち入れなかったとする説があります。

「留山」とは、江戸時代、藩が管理・支配した山林で、入山、狩猟、伐採が禁止された山のことです。
この制度により山の木は勿論、枝の1本、葉っぱの一枚までもが土佐藩のものであり、藩の許可がなければ立ち入ることすら許されませんでした。
そこから、不入山と呼ばれるようになったとも言われています。

・不入山です(NHKテレビより)


「四万十川の源流点」
日本最後の清流と言われる四万十川の源流点がこの山にあります。
四万十川は高知県の西部を流れる一級河川で、全長196km、四国内では最長の川で、不入山の東斜面の標高1,200m付近を源流点としています。
本流に大規模なダムが建設されていないことから「日本最後の清流」と言われています。
更に、静岡県駿東郡清水町を流れる柿田川や長良川と共に「日本三大清流」の一つとも言われています。

・四万十川の源流点です。(NHKテレビより)


「埋蔵金伝説」
この山には埋蔵金伝説があります。
平安末期、不入山の麓に落ち延びた平家の落人がいました。
落人は麓の村人に「誰も山に立ち入ってはならぬ。」と言い残し、山中に身を隠しました。
その理由は、平家再興のための埋蔵金、今の価値にして40億円もの財宝を「朝日、夕日が当たる大木の下に隠した」からというものです。
いまだにその埋蔵金は見つかっておらず、ロマンに満ちた伝説となっています。

・これが「朝日、夕日が当たる大木」です。この下に貴重な財宝が眠っているかも知れません。(NHKテレビより)


「竹の花」
この番組に登場した、吉田類さんと安藤桃子さんは、埋蔵金よりも価値あるお宝を見つけたようです。
何と、それはスズタケの花の蕾だったのです。
スズタケは120年に一度だけ花を咲かせる竹です。
花を咲かせると枯れると言われてり、滅多にお目にかかれない奇跡的に巡り合わせた竹でした。
見つけたお二人は大興奮していたことから、埋蔵金より価値あるお宝になったのかも知れません。

・スズタケの蕾です。(NHKテレビより)


「冒頭のナレーションの出典」
冒頭のナレーションは平安時代の終わりころに用いられた教科書「実語教」の一説からです。

 「山高きが故に貴からず、樹(き)有るを以って貴しとなす。
       人肥えたるが故に貴からず、智あるを以って貴しとなす」


意訳:山は高いからといって貴いわけではなく、そこに木が生えているから貴いのである。
   人も見かけが立派だからといって貴いのではなく、人格、知恵など内容が伴って初めて立派だといえるのである。