最近のドラマでは若手の俳優や女優、歌などで有名になった人など、凡そ俳優のプロとは言い難い人たちが多く起用されています。
この人たちの演技力はお世辞にも上手いとは言えませんが、それでもいろいろなドラマに出ているということは演劇の世界でも人材不足という事なのでしょうか?
昔は、このような役者のことを「大根役者」と呼んでいましたが、現在は死語となったのか、あまり聞くことがありません。
今日は大根役者について調べました。
「大根役者」
大根役者とは、ご存じのように、芝居の下手な俳優をあざけって言う言葉で、その始まりは、江戸時代に歌舞伎で舞台上の俳優に対するヤジや悪態として使われたようです。
初めの頃は「大根」とだけ呼んでいましたが、野菜の大根と区別が付きにくいため、徐々に「大根役者」と呼ぶことが浸透していったということです。
「大根役者の語源」
下手な役者を「大根」と呼ぶようになった由来には諸説あります。
・大根は白いことから「素人」とかけたとする説、
・大根の白さから下手な役者ほど白粉(おしろい)を塗りたくることとかけたとする説、
・大根は滅多に食あたりしないことから、「当たらない役者」の意からとする説、
等があります。
「何故大根なのか」
でも何故「大根」なのでしょうか?
①大根は食あたりしないからとする説。
大根は消化がよく食あたりしない食材として有名です。そのため「食あたりしない」を「当たらない=役者としてヒットしない」という意味にかけたこと。
②大根おろし説。
配役を変えられる際に「おろす(降ろす)」と表現しますが、この「降ろす」と大根おろしの「おろし」をかけて、共に「おろされる」ような、下手な役者、役をおろされてしまうほど演技が下手な役者だということ。
③大根の白と素人を書けた説
大根の色が白いので、「白(シロ)」と演技をたしなんでいない「素人(シロウト)」とをかけたとする説。
更に、下手な役者が場を「しらけさせる」の「しら」にかけたとする説や、演技の下手な役者ほど白粉(おしろい)をたくさん塗ってごまかそうとするイメージから、大根のように白い顔をした役者=下手な役者と捉えられたという説。
④演技が下手なために人の役まで至らず、馬の前足・後ろ足を演じ、馬の脚が大根を連想させたとする説。
芝居の中で馬の脚を演じる役者のことを指して「大根」になったのではないかと言われています。
「馬脚を露す」
「馬脚」とは、芝居で馬の足を演じる役者のことです。
そして「馬脚を露わす」は芝居で馬の足の役者が見せてはいけない姿をうっかり見せてしまう意からで、つつみ隠していた事があらわれる、ばけの皮がはがれるという意味になりました。