文化庁の国語に関する世論調査の令和元年度の結果報告を見てみました。
その質問の中の一つに、誤用ランキングのワースト3にも入ると言われている「敷居が高い」の意味を尋ねる項目がありました。
結果は矢張り誤用が多かったので、今日はこの慣用句についてご紹介します。
「調査の回答結果」
世論調査では、「敷居が高い」の慣用句について、どちらの意味だと思うか? と質問していました。
回答結果は次の通りでした。
(ア) 相手に不義理などをしてしまい、行きにくい・・・・29.0%
(イ) 高級過ぎたり、上品過ぎたりして入りにくい・・・・56.4%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.6%
(ア)、(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・0.6%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.9%
また、年代別の回答結果は下のグラフの通りです。
年代別では、70 歳以上を除く全ての年代で、本来の意味とは異なる(イ)の「高級過ぎたり、上品過ぎたりして入りにくい」を選択した人の割合が、本来の意味とされる(ア)の「相手に不義理などをしてしまい、行きにくい」を上回っています。
中でも、40 代以下では(ア)を選択した人の割合と(イ)を選択した人との割合に 40 ポイント以上の差がありました。
・年代別回答結果の比率です。(ネットの調査結果より)
「本来の意味」
「敷居が高い」という慣用句の意味を広辞苑で調べてみると、不義理などをして、相手の家に行きにくくなることのたとえと記し、その注釈には、訪ねにくくなって相手の家の敷居が高く感じられるようになるの意から、と説明しています。
辞書が示すようにこの慣用句には、分不相応(自分には合わない)という意味はありません。
「敷居」とは、ご存知のように、家の門や玄関、部屋の出入口などの引き戸や障子、ふすまなどを開け閉めするために床に設置される溝のついた横木のことです。
この言葉は、もともと不義理や面目の立たないことがあって、その人の家に行きにくいという意味で使われているものですが、調査では、70歳代以上を除くすべての年代で本来の意味ではない(イ)を選択した人の割合が本来の意味である(ア)を選択した人を上回っていました。
この結果について、文化庁の担当者は、「敷居が高い」は戦前の小説などでは、本来の意味である借金を返さないなどの「不義理」が生じる場面や文脈でよく使用されていたのが、最近ではその使われ方が減った半面、「行きにくい」という意味だけが残り、新たな使い方が浸透したのではないかと推測しています。
「敷居が高い」の本来の意味は、「相手に不義理などをしてしまい、行きにくい」です。
誤用しないよう、十分注意したいですね。
以外に相手は歓迎してくれるかも。
問題として出題されると、
二者択一なら(ア) 「相手に不義理などをしてしまい、行きにくい」を選んだ方がベターな気がします。
ご紹介、ありがとうございました。
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