らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

女心と秋の空

2019-10-30 | 季節

「天高く馬肥える秋」という諺がありますが、今年の10月は、秋真っただ中というのに雨や曇り空が続き、秋らしい天気がやってきません。
一昨日は久しぶりに高い青空が見られてほっとしたところですが、昨日はまた雨になりました。

昔から「女心と秋の空」と、秋の変わりやすい天気を例えて言われていますが、これほどまでに曇天が続いて秋の爽やかな天気が少ない年も珍しいのではないでしょうか?
これも地球温暖化の関係なのかもしれませんが、下の写真のような爽やかで気分の晴れ晴れとする秋の高い空を毎日見たいものです。

・久しぶりにさわやかな秋空となった一昨日の天気です。(畑上空の秋空です)


ところで、ころころ変わる天気を称して「女心と秋の空」と言いますが、「男心と秋の空」という言い方もあるようです。
そこで今日はこの諺について、その由来を調べてみました。

「男心と秋の空」
現在では「女心と秋の空」が一般的に言われていますが、江戸時代までは「男心と秋の空」でした。
そのルーツは室町時代の狂言、「墨塗(すみぬり)」で、この中に「男心と秋の空は一夜にして七度変わる」というセリフがあって、ここから「男心と秋の空」の諺が生まれたといわれています。

江戸後期の俳人・小林一茶は、変わりやすい自分の心を秋の空にたとえて、
  「はずかしや おれが心と 秋の空」
と、自分の心の移ろいやすさを秋の空模様に例えて詠んでいます。

「女心と秋の空」
では、「女心と秋の空」はいつごろから言われ始めたのでしょうか?
それは明治以降のことのようです。
この諺の背景には「浮いた話」があって、明治以前の浮いた話の当事者は(建前上)男性だけでした。
しかし、女性の地位が向上していく大正時代から昭和にかけて「女心」の浮いた話も定着していきます。

明治時代の小説家、尾崎紅葉が明治25年に読売新聞に連載していた長編小説に『三人妻』というものがあります。
この小説の中に、「男心と秋の空」という諺が出てきて、そのくだりで、「欧羅巴(ヨーロッパ)」の諺に「女心と冬日和といえり」が出てきます。
尾崎紅葉は「男心と秋の空」を説明するために、変化しやすい冬の風を女心に例えたヨーロッパのこの諺を、パロディ的に「女心と秋の空」としたのかも知れないということです。

「女心と秋の空」が一般的に使われるようになったのは「大正デモクラシー」以降です。
大正デモクラシーで女性の地位が向上すると恋愛の価値観も変わり、女性が素直に意思表示する風潮も受け入れられるようになりました。
浅草オペラで、「♬ 風の中の羽のようにいつも変わる女心」と歌う『女心の歌』が大ヒットすると、この頃から「女心と秋の空」が言われるようになったということです。

「女心と秋の空」の諺は、当初は「男心」のようですが、男心も女心も、そして秋の空もあまり変わって欲しくないですね。


 


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