NHKの番組に「にっぽん百低山」があります。
この番組は「やま 高 たか きが 故 ゆえ に 貴 たっと からず」のナレーションで始まり、毎週1000㍍前後の山を紹介しているものです。
先日は高知県の標高1336㍍の「不入山」を紹介していました。
「不入山」
「不入山」と書いて「いらずやま」と読みます。
「不入山」は高知県 西部 四国山地のただ中に位置する標高1336mの山です。
この山は「日本最後の清流」と言われている四万十川の源流となっており、平家の落人が財宝を隠したと伝わる埋蔵金伝説がある山で、嘗ては人が立ち入ることが許されなかったと伝えられています。
何故、立ち入りが許されなかったのでしょうか?
「不入山名前の由来」
立ち入りが許されなかった理由には諸説あります。
その一つは、平家の落人が、平家を再興するための財宝、現在の価値で40億円と言われる埋蔵金が隠されていることから立ち入ることを禁止したとする説や、土佐藩の留山(とめやま)制度から立ち入れなかったとする説があります。
「留山」とは、江戸時代、藩が管理・支配した山林で、入山、狩猟、伐採が禁止された山のことです。
この制度により山の木は勿論、枝の1本、葉っぱの一枚までもが土佐藩のものであり、藩の許可がなければ立ち入ることすら許されませんでした。
そこから、不入山と呼ばれるようになったとも言われています。
・不入山です(NHKテレビより)
「四万十川の源流点」
日本最後の清流と言われる四万十川の源流点がこの山にあります。
四万十川は高知県の西部を流れる一級河川で、全長196km、四国内では最長の川で、不入山の東斜面の標高1,200m付近を源流点としています。
本流に大規模なダムが建設されていないことから「日本最後の清流」と言われています。
更に、静岡県駿東郡清水町を流れる柿田川や長良川と共に「日本三大清流」の一つとも言われています。
・四万十川の源流点です。(NHKテレビより)
「埋蔵金伝説」
この山には埋蔵金伝説があります。
平安末期、不入山の麓に落ち延びた平家の落人がいました。
落人は麓の村人に「誰も山に立ち入ってはならぬ。」と言い残し、山中に身を隠しました。
その理由は、平家再興のための埋蔵金、今の価値にして40億円もの財宝を「朝日、夕日が当たる大木の下に隠した」からというものです。
いまだにその埋蔵金は見つかっておらず、ロマンに満ちた伝説となっています。
・これが「朝日、夕日が当たる大木」です。この下に貴重な財宝が眠っているかも知れません。(NHKテレビより)
「竹の花」
この番組に登場した、吉田類さんと安藤桃子さんは、埋蔵金よりも価値あるお宝を見つけたようです。
何と、それはスズタケの花の蕾だったのです。
スズタケは120年に一度だけ花を咲かせる竹です。
花を咲かせると枯れると言われてり、滅多にお目にかかれない奇跡的に巡り合わせた竹でした。
見つけたお二人は大興奮していたことから、埋蔵金より価値あるお宝になったのかも知れません。
・スズタケの蕾です。(NHKテレビより)
「冒頭のナレーションの出典」
冒頭のナレーションは平安時代の終わりころに用いられた教科書「実語教」の一説からです。
「山高きが故に貴からず、樹(き)有るを以って貴しとなす。
人肥えたるが故に貴からず、智あるを以って貴しとなす」
意訳:山は高いからといって貴いわけではなく、そこに木が生えているから貴いのである。
人も見かけが立派だからといって貴いのではなく、人格、知恵など内容が伴って初めて立派だといえるのである。
「柚子胡椒」って、ご存知だと思います。
ピリリと辛くて、スーッとさわやかな独特の風味が特徴の万能調味料です。
元々は大分県日田市の農家が自家用に作っていた調味料でした。
ソバやうどん、鍋や焼き肉など、様々な料理に合う万能調味料として、すっかり認知度を高めた「柚子胡椒」ですが、「胡椒」という名称がありながら胡椒が一切入っていません。
何故なのでしょうか?
「柚子胡椒」
柚子胡椒は、調味料の一種で、唐辛子を粗刻みにし、柚子の果皮と食塩を入れて磨り潰し、熟成させたものです。
発祥の地である九州では一般的な調味料として多くの料理で使用されています。
柚子胡椒の原材料は「唐辛子、食塩、柚子表皮」で、唐辛子は青唐辛子を用いるのが一般的で、赤唐辛子が用いられる場合もあります。
青唐辛子と青柚子なら緑色、赤唐辛子と黄柚子なら朱色の柚子胡椒に仕上がります。
一般的に緑色の物は辛味が強く、赤色の物は香りが強いということです。
「柚子胡椒なのに胡椒が入っていない」
この万能調味料の「柚子胡椒」ですが、実は胡椒が入っていません。
前記したように柚子胡椒の原材料は「唐辛子、食塩、柚子表皮」です。
ピリッ辛いのは唐辛子で、胡椒は入っていないのです。
本来ならば「柚子胡椒」ではなく、「ユズ唐辛子」となるべき名称ですが、柚子胡椒の発祥の地では唐辛子のことを胡椒と呼ぶことから、この名前になったようです。
「唐辛子が何故胡椒なのか?」
では、柚子胡椒の地元大分県日田市では「唐辛子」のことを何故「胡椒」と言うのでしょうか?
そもそも胡椒と唐辛子は全くの別物で、見た目も違えば辛味の傾向もまるで似ていません。
それなのに何故 唐辛子を胡椒と呼ぶようになったのかというと、一説には九州と中国の関係が大きく影響しているということです。
江戸時代、九州は中国との貿易が盛んで、中国には多大な恩恵を受けていました。
しかし、唐辛子は「唐枯らし」と同じ音だったことから唐(中国)を枯らすとは縁起が悪いということで、唐辛子という言葉を忌み嫌い、辛い物つながりで胡椒と呼ぶようになったと言われています。
そして一般的な「コショウ」は「洋胡椒」と呼んで区別しているようです。
「使用される料理」
なお、万能調味料の「柚子胡椒」ですが、地元では鍋料理や味噌汁、刺身、天ぷら、焼き鳥、おでん、豆腐などの和風料理の薬味として用いられているようです。
更に、近年、全国的に知られるようになってからは様々な使い方がされています。
例えば、スパゲティ、サラダドレッシング、豚カツ、ラーメン、シュウマイなどに用いられているということです。
「阿漕(あこぎ)」という言葉があります。
映画やドラマのセリフで「阿漕(あこぎ)な真似はよせ!」などと聞くことがあります。
この場合、強欲でやり方があくどいさまを諫めて使用されているのですが、このようなことを何故「阿漕」というのでしょうか?
今日は阿漕(あこぎ)について調べました。
「阿漕とは」
「阿漕」を広辞苑で調べてみました。
①たび重なること。
②転じて、際限なくむさぼること。また、厚かましいさま。ひどく扱うさま。
③能の一。伊勢国 阿漕が浦の漁夫が密漁して海に沈められ、地獄で苦しむさまを描く。
と説明しています。
辞書が示すように、「阿漕」とは、強欲でしつこく、やり方があくどいさまのことで、悪いことを意味する言葉となっています。
この言葉の語源は三重県の津市中心部の海岸「阿漕(あこぎ)浦」に伝わる物語に由来しています。
・平治伝説の平治をまつる阿漕塚です。
「阿漕の平治伝説」
阿漕の語源となった「平治伝説」では次のように伝えられています。
病気の母親を持つ漁師の平治は「母親の病気には阿漕ケ浦で捕れるヤガラという魚がよい」と聞きました。
阿漕ヶ浦(あこぎがうら)は古くは伊勢神宮に供える魚をとるための御領で禁漁区でしたが、平治は病で日に日に衰弱していく母親を前にして決心し、禁漁区である阿漕ケ浦に夜な夜な舟をこぎ出しました。
そして、捕獲したヤガラを食べさせたことで母親の体調は少しずつ回復しました。
しかし、うかつにも「平治」と書かれたすげ笠を浜に置き忘れたのです。このことから密漁が露見してしまいました。
密漁で捕らわれた平治はす巻きにされて、阿漕浦の沖に沈められたのでした。
その後、夜になると阿漕浦から泣き声や網を打つ音が聞こえ、その音を聞いた者は病気になったと言います。
この平治伝説が「阿漕」という言葉の語源ですが、孝行息子の平治が密漁していた阿漕ケ浦の「阿漕」が何故、際限なくむさぼること等の悪い意味になったのでしょうか?
「阿漕が悪い意味になった理由」
伝説の主人公「阿漕の平治」は孝行息子であり、母親の病を癒やすために禁を犯して漁をし、そのために捕らえられ処罰されました。
一般に「あこぎ」といえば、「たび重なること。また、たび重なって広く知れわたること。」の意味ですが、そこから転じて「どこまでもむさぼること。しつこく図々しいこと。押しつけがましいこと。」として使用されるようになりました。
更に能の『阿漕』などの神宮御領地を犯す悪行として描いた作品によって、「図々しい」「強引だ」というマイナスの意味が派生し、それが定着して悪い意味の言葉となったのではないかという事です。
伝説では、親の病気を治すために禁を犯して漁をした平治ですが、孝行息子に変わりありません。
禁漁を犯したことについては厳重注意し、母の病気を治すための親孝行を褒めるくらいの処分をしてほしかったですね。
私は「阿漕」は悪い意味ではなく、むしろ孝行を奨励するような良い意味になって欲しい気がします。
YouTubeを観ていると、外国人旅行者の日本での楽しみの一つに「神戸ビーフ」を食べること、と語る旅行者もいます。
この人たちは来日前に、日本の美味しい食べ物などをよく調べており、美味しい日本食についてよく知っています。
我が家では神戸牛のような高級牛肉は口には入りませんが、外国人観光客は値段より、おいしさを求めている人たちが多いように感じます。
そこで今日は「神戸牛」について調べました。
外国人旅行者は和食の美味しさ、中でも「和牛」は格別のようです。
和牛と言えば、赤みの中に細かい脂肪の「サシ」が入った霜降りが特徴ですが、その美味しさは自国の牛肉と比べて格段に違うようです。
和牛の中でも「神戸牛」は最高級にランクされるブランドとなっています。
しかし、調べてみると「神戸牛」という牛はいません。
「神戸牛」という牛がいないのに「神戸牛」とは、一体どういうことなのでしょうか?
「神戸牛」
実は、神戸牛と言われている、とろけるような舌触りの牛肉は「但馬牛」なのだそうです。
但馬牛は兵庫県の日本海側で育てられている黒毛和牛ですが、この和牛を兵庫県の食肉センターで牛肉にし、その中でも厳しい基準をクリアしたものを「神戸牛」とか「神戸ビーフ」と呼んでいるそうです。
つまり「神戸牛」は牛の名前ではなく、肉質の名称なのです。
「神戸牛の認定基準」
神戸牛の認定基準は日本一厳しいと言われています。
「神戸肉・神戸ビーフの定義」によると、
まず大前提として、神戸ビーフと呼ばれるためには、純血の但馬牛であることが求められます。
次に育てた繁殖・肥育農家が兵庫県内の指定生産者であること。
そして、兵庫県内の指定された食肉センターで処理したものであること。
加えて、その但馬牛が未経産牛・去勢牛で、さらに、枝肉格付等が以下の事項に該当するものだけが「神戸ビーフ」に認定されます。
「枝肉格付等」
・霜降りの度合いを表す「BMS」がNo.6以上。(BMSにはNo.1からNo.12まであり、番号が上がるにつれてサシが細かく霜降りの状態になります。)
・可食部分の割合(歩留等級)がA・B等級であること。
・枝肉(えだにく)の重量が499.9kg以下。(枝肉とは頭や尾、四肢端などと,皮や内臓を取除いたあとのと肉のことです。)
・肉質のきめ細かさ、しまり具合がすぐれていること。
このほか、霜降りの度合いや、色、肉生地のきめ細かさ、脂の質などを総合評価したものを「肉質等級」と呼び、1から5まであります。
したがって、神戸牛が「A5で BMS No.12」であれば神戸牛の最高の格付けということになります。
このように由緒正しい子牛を指定生産者が兵庫県内で飼育し、兵庫県の食肉センターに出荷し、牛肉とし、その中でも、霜降りの度合い、肉の色、きめ、更に脂肪の色などを判定し、合格した牛肉が「神戸牛」と認定されます。
「神戸牛の名称の由来」
ところで、「神戸牛」という名前の由来は、諸説ありますが、
一説には、「江戸時代の末期、神戸港開港後に、外国人居留地に外国人たちがたまたま但馬牛を口にし、余りの美味しさに「神戸ビーフ」と呼ぶようになったのが始まりだとする説や、
他には、日本で初めて牛肉を輸出したのが神戸港だったのでそう呼ばれたとする説などがあります。
観測が始まってから最も暑い月となった8月が終わりました。
その最終日であった昨日、大阪南部の熊取町に「虹」が出現しました。
虹は幸運の兆しといわれています。
「虹を見ると願い事がかなう」という言い伝えもあります。
また、「虹のふもとには宝物が眠っている」という言い伝えがあるように、虹は古くから幸運の象徴として人々に親しまれてきています。
宝物や幸運の兆しがあるかないかは別にして、虹はしょっちゅう見られる訳ではないことから、虹を見られるだけでも、既にラッキーだといえるのかも知れません。
「早朝に虹が出現」
昨日の早朝のことです。
いつものように早朝ウォーキングをしていました。
ウォーキングは4時50分頃から始めたので、辺りはまだ暗かったのですが、5時半前には明るくなりました。
その時間帯は黒い雲が空一面を覆っていたので、雨を心配して空を見上げると大きな虹が出ていたのです。
時間は5時25分頃でした。
カメラがなかったのでそのまま10分ほど歩き、家に戻ってスマホを持ち出し撮影することにしました。
家につく前には虹が薄く消えかかっていたのですが、5時40分頃に濃い色の虹が出てくれました。
・これがその虹です。
「虹」
虹とは、簡単にいえば空気中の水滴が太陽光を反射して見える現象で、光が空気中の水滴に屈折して入り、水滴の中で一回反射して、さらに屈折して水滴から出ていった時に現れます。
この時、光は波長によって屈折率が異なるので、「赤、橙(だいだい)、黄、緑、青、藍(あい)、紫」の7色に分かれます。
また、虹は必ず太陽の反対側の決まった位置に出現します。
私達が太陽を背にして立った時、太陽光の進む方向(対日点)から常に42度の角度を保って現れます。
そのため、太陽が高い位置にある時は虹は出づらく、太陽が低い位置にある方が虹が出現しやすくなります。
「虹の原理」
虹は雨上がりの空に、太陽を背にしたときに正面に見られることがあります。
これは空気中にある水滴の中で光が屈折して反射したものを見ているのですが、このとき波長(≒色)によって屈折する角度が違います。
赤は屈折角度が緩く、紫は鋭くなります。
最終的に、入ってくる太陽の光に対して、赤の光は角度が42.4°、紫の光は40.7°曲がって出てきます。
実際に虹(ここでは主虹)が見えているとき、見る人の立場からすると、少し高めにある水滴から反射して42.4°から入ってくる光が赤く、40.7°から入ってくる光が紫になります。
なので、上のほうが赤く、下のほうが紫になります。
「虹は何故 虫篇?」
虹はなぜ虫篇の漢字なのでしょうか?
それは昔の中国では、虹を竜(大蛇)の一種と考えていたことからのようです。
「虫」の字は元々は蛇をかたどったものであり、「工」は貫くという意味なので、「虫+工」で天空を貫く竜(大蛇)となり、虹はそんなイメージからこの漢字となったようです。
今日から9月です。
遅れている秋野菜の準備を急がなければいけません。
虹を見ると願いが叶うと言われています。
もし、願いが叶うなら、秋の到来を早めてもらい、日中の最高気温を30度以下にして欲しいものです。