この土日で行われた県のPTA大会。
五所川原、つがる市、金木町を開催地として、
子どもをとりまく環境や教育、そしてPTAの必要性と方向性などを学ぶ分科会がありました。
交流会では、「つが~るちゃん」という特産品で構成された着ぐるみマスコットが登場し、
とてもかわいらしいキャラクターに、女性陣も男性陣もテンションが上がりました。
昨日は、慶応義塾大学大学院教授で、幼稚園舎元舎長でもある、金子郁容氏による記念講演。
~~~
「いい学校」は「いい地域」にあります。
学校を真ん中にして、地域の人や保護者が子ども達の勉強や、机上の勉強以外の学びの場を提供することで、地域と保護者、地域と学校、保護者と学校とのつながりが深まります。
その深まった輪の中で育てられた子ども達の目は輝き、安心感の中で学んだことで、自分に自信を持てるようになるのです。
みんなでいっしょに汗をかき、行動し、学校と地域をよくしていくという「コミュニティ・スクール」の紹介をしてくださいました。
一つ目は、徳島県の漁村にある伊座利校。
二つ目は、東京三鷹市にある三鷹市立第四小学校です。
地域の人みんなが先生となり、交流し、学ぶこども達の姿は、ほんとうにキラキラと輝いていました。
伊座利校は、小学校と中学校が合わさって9年制。
同じ校舎で学び、小学校の全校生徒数は15名。
他県で、小学校に上がって一度も学校に行っていなかった子ども達が、ここの先生をはじめ、地域のおじちゃん・おばちゃんたちと出会ってから、一度も学校を休んだことがないという話は、今の学校がいかに温かみの感じられない環境なのかを物語っているように見えました。
三鷹市立小学校での実践は、1クラスに担任教師の他に2人から3人の保護者や学校の卒業児童を持つ保護者などがサポートして、授業が進められています。
最初の開始時は、教師も正直「すごく大変になり、きついなぁ、と思っていた。」とか。
教材研究に費やす時間が増え、サポーターの人たちとのミーティング作業などにも時間がとられ、負担は増したという半面、子ども達がとても満足して、輝いてきた現場を目の当たりにし、これは必要なんだと実感。ずっと続けていくべきことだと今は熱く語っている姿が印象的でした。
こうして、多くの大人が子どもに関わる現場へと、汗水垂らして、地域一丸となって変えていくことで、いい学校が生まれ、いい地域が生まれていくのだと、金子氏訴えていました。
実際、私の子どもは入学してから、今でもよく言います。
「先生ともっとお話したり、遊んだりしたいのに、できなくて、なんだか寂しい。」
「気軽に相談したり、おしゃべりしにいける感じじゃない。だって、先生忙しそうだもん。」
まったくおしゃべりができていないわけでも、遊んでくれないわけでもないのです。先生達は先生達なりに、時間のあるときは話したり、遊んだり、相談に乗ってくれたり努力してくださっているのです。
でも、子どもたちはきっと、もっと交流を深めたいと心の底では思っているのです。だれだって、自分を見てほしいし、自分を認めて欲しいし、他の人のことももっと知りたいと思うと思うのですが、実際の現場ではその余裕がなく、子どもたちもその余裕のなさを敏感に察知し、先生や学校に遠慮しているのです。
その気持ちの配慮は、きっと子ども達の心に
「認めてもらえていないのじゃないか?」とか、
「誰かに話したいのに話せなくて不安」とか、
「自分は自分でいいんだろうか?」と
自己肯定観を低めてしまっているような気がしてしまいます。
それが、社会勉強の一つだといわれればそうかもしれません。
だけど、現在の社会問題は、その一言で解決できそうにも見えません。
実際、わが子はそうして、先生に甘えたり、話したりせずに、自分や友だちとの間で問題を解決しようと努力しています。
誰か別に大人が寄り添ってくれる、そんな環境が学校内にあれば、もう少し違うのかもしれません。 保健室の先生が、その重要な代役であるのは、今も昔も変わらないのかな。
金子氏は言いました。
「あそこの親が悪い」
「この子どもが悪い」
「家庭環境が悪いからだ」などと言っているだけでは、
なんの解決にもならないと。
だったら、地域の大人たちが関わって、その子ども達をみんなで育てていこう!という気概を持てば、
犯罪や非行や自殺や引きこもりなどの社会問題も減っていき、学力も上がるという、アメリカの研究チームのデータを交えながらの講演でした。
いろんな大人が関わる環境づくりのお手伝い、
これからも頑張っていきたいと思いました。
来年は、青森県だけでなく、東北地方のPTA・PTA連合会が集結する東北大会が、
なんとここ八戸市で開催されます。
たくさんの人たちと出会えることが、今から楽しみです!