懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

浅田真央選手の「鐘」が鳴る時

2010-02-23 01:35:06 | Weblog
きのうのNHKスペシャル、視聴率結構行ったのかな?

分りやすい内容で、浅田選手のオリンピックへの軌跡を描き、プログラムとかの解説をしていた。
見れば、「すべて納得」の内容。

・ジャンプが決まらなくなった理由;ジャンプとジャンプのつなぎ部分を、通常のような息を抜ける構成にせず、そこにもツイズルなどの高難度技を入れて、今までより難度を上げた。

・その分、ロシア大会では、(消化しきれずに)さらに点が落ちた。
・それで試合後、コーチが「このプログラムでいいのか?」と聞いたら、浅田選手がこのままでいい旨回答した。いただいたプログラムをまだ完ぺきに行っていないのに、変えてしまうのはもったいない、と。

・練習すれば大丈夫、というようなことだった。練習してきっちりアクセルもとんでつなぎの技も決められるようになれば、後は試合も練習通りやればいいと自信がつくとか。

・4大陸選手権で、前大会よりは出来が上向いたのも、理由があって、ツイズルを入れる場所を、一つのジャンプ技の前だったのを、後に変えたせい。

つまり、漠然と調子が悪いのではなく、結果を出せなかったのは明快な理由があり、克服する方法も、青写真が描けている、というような話だった。凄い理詰め。

*なお、新しいプログラム「鐘」は、ラフマニノフの重厚な曲に乗って、今までと違うものを表現する。可愛いものだけでなく、強い表現もできるという事を見せたい、とかそんなことを語っていた。

個人的には「かわいい」でなくてもいいけど、あの長い脚を高く上げた美の結晶のようなスパイラルとか、イノセントな感じ、透明感が出るので、そういう天上的なものを表現した方が、客観的には資質に合っているように見えるけど、本人が「今までと違うものをやりたい』という強い希望があるようなので、それならそれでいいんじゃないかと。

この番組見るまでは、「金メダル取ってほしい」と思っていたけど、男子ので金メダルの値打ちが下がってしまったし、浅田選手のやってることの方が、今回のオリンピックの金メダルより崇高に思えてきて、半分どっちでも良くなってきた。

金メダルは、たぶん取れそうな気がする。
でも、そんなことより、彼女がやりたいようにやれれば、いいんじゃない?それが一番大事なことだと思えたNHKスペシャルなのでした。

私はタラソワコーチが元々好きなので、(浅田選手を良いと思えるようになったのは、タラソワコーチが関わってから。表現性も出てきたし、全身で描くラインの美しさにはうっとりする。)ロシア大会前後の、マスコミの報道にはびっくりしていた。

外野の雑音にまるでブレず、自分のやりたいことを見失わない浅田選手の、なんていうんだろう、強さ?かな??そういうものに圧倒された。いい番組でした。

※フィギュアに詳しい知り合いの意見を聞いたら、「(彼女はアンチジャンプ派のはずなのに)男子シングル、上位選手の中で4回転一人だけ飛ばなかったライサチェックが金ってのはないんじゃないの?」だって。こういうオリンピックだし、何が起きてもまあいいけど、浅田選手が「鐘」を素敵に鳴らすのが見たいな。
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