新緑の鎌倉に行ってきた。
これは東慶寺の山門脇の新緑だとおもう。
まずはいつものように北鎌倉駅で降り、行きつけの喫茶店「結」にいく。
親子で経営している店で、ちょっと脇道奥に入っている店なので知っている人は少ないのではないか。
以前はお父さんと息子さんの二人で営業していたのだが、前回行ったとき、奥様がいたのでご主人の消息をうかがったら今年の初めごろ他界されたという…
何もかも周りのものは同じなのに、心象風景が違ってしまいますね、とおっしゃっていた。
親しい存在を失ったものにしか言えない言葉である。
僕の場合は、心象風景が違ってしまったのはもちろんだが、自分が何か実体のないホログラムのような存在になってしまったような気がした。
ただ、ほんとうに日にち薬とはよく言ったもので、少しづつ年月が経過するごとにそのホログラムのような体の密度が濃くなってくる。
濃くなってはくるのだが、決して失う前と同じにはならない。まるで別の世界に生きているようなのだ、たとえ周りのものはすべて同じに見えていても。
一服したあと、東慶寺へ行って上の写真を撮った。
その後、建長寺へ。
上の写真のところで写真を撮っていると、他の観光客が「おれ頭悪いからこの煙を浴びなきゃ」といって線香の煙を浴びていた。
僕も浴びて頭を良くしようかと思ったが、「すでに遅い」という声がどこかから聞こえてきたのでやめた。
頭よりも性格がよくなりたいのだが、そんな煙を出す線香はないだろうか。
境内にいると「気」が違うのを感じた。
平和で寂静なのだ、外より。これはやはり過去数百年にわたってここで修行してきた修行僧たちの気が堆積してこのような気を生み出しているのではないか。
建長寺を出た後、鶴岡八幡宮へ向かった。
上の写真は2012年に倒れた大銀杏の後にはえてきた新しい銀杏。
これがまたあの大銀杏のような巨木に成長するころには当然僕はもういない。
そのころは別な人間に生まれ変わって見に来ているかもしれない…
八幡宮。明日は流鏑馬が行われるそうで、今日は射手が走る道が整備されていた。
実はこの行事はまだ見たことがない。ぜひ行ってみたいが僕は人ごみが苦手だし、おそらくいい写真が取れそうなところはすでにほかのプロやアマチュアの写真家たちが占拠していることだろう。
きっと、人の頭の上にちらっと射手が見える程度ではないか。
それでも一度は行って見てみたい。
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