市街地からふらふら歩いたので、迷いまくりました。
あきらめてもう帰ろう、と思った途端現れた、
開高健記念館。
開高健さんは、
晩年この地(茅ヶ崎東海岸)に移り住み活動され、
その邸宅、週末に限り一般公開されています。
開高先生がが名付けたという、
「哲学者の小径」。
お庭のあちらこちらに、
先生直筆の碑が置かれています。
まさに、
哲学者の小径だ。
書斎&直筆の原稿。
お酒がお好きだったこと、
釣りやシガーがお好きだったこと、
その私物の豊富さから容易に想像できますね。
インタビューで、
「常にいろいろんな考えが頭を占領してはいるが、
釣りをしていて魚を釣りあげる瞬間だけは雑念が消える」
とおっしゃっておられましたが、
もしかすると、そこが釣りがお好きだったな理由なのでしょうか。。。
元リビングだったと思われるお部屋で、
NHK「あの人に会いたい」で
先生がご出演された録画を見せていただけます。
ベトナム戦争の経験。
ホテルに戻って力の限りベットを叩くとき感じた「生の充実感」。
ただ、少しうたた寝をした後にはその感動も薄れ忘れる。
「今日の自分は、明日の自分ではない。
人間とは傲慢な生物で、永遠に満足することがない。」
うーん。
考えさせられるなぁ。
先生の作品と人となりを、
茅ヶ崎の空気感とご自宅の雰囲気から
実感できます。
行ってよかった。
開高健記念館
神奈川県茅ケ崎市東海岸南6-6-64
Tel: (0467) 87-0567
開館日: 毎週、金・土・日曜日の3日間と祝祭日。
年末年始(12月29日~1月3日)は休館
雨が上がったから、
茅ヶ崎散策再開。
地元の高校生は、
毎日こんな景色見てるんだよねぇ。
ライフガード!?
詰所の中をちらっとのぞいたら、
数人のイケメンがタバコ吸いながら座ってました。
毎日、茅ヶ崎の海を守ってくれてるんですね。
ごくろうさまです。
デニーズで雨宿り。
お店に入った途端、
「これ使ってください。古いものですからお持ちいただいて結構ですよ。」
と、雨に濡れた私を見て、お店の女性がタオルをくださった。
うれしい気遣い。
人として本来当たり前の思いやりなのかもしれないけど、
そいういう言葉すら懐かしく思うのは、
普段の生活がよほどぎすぎすしているからなのかな。。。
そんな暖かいお言葉に気を良くして、
暖かいお茶で雨宿り、
のはずが、
フレンチトーストもオーダーしちゃいました。
この日のフレンチトーストは、
夏の雨の少し肌寒い感覚と、
懐かしいセピア色の印象。
デニーズサザンビーチ店。
タオル、ありがとうございました!
茅ヶ崎駅の北口にあるホテルをスタート、
駅を横切り、
南口方面の海岸線を目指して歩く。
駅から海岸まで、20分くらい。
お肉屋さんや、表具屋さんなど、
渋い専門店を横目に海を目指す。
途中には、
高砂緑地と呼ばれる公園と、
茅ヶ崎美術館などあり。
この、高砂緑地という公園は、
川上音二郎・貞奴(鬼奴じゃないよ)ご夫妻の別荘の跡地があって、
(↓井戸の跡)
この界隈が、
別荘地だったことをうかがわせます。
さて!
海だ!
天気はイマイチだけど、
浸っちゃおうかな。
今回の旅。
個人的なキャッシュフロー問題により
セービングモードで旅をすることに決めていました。
宿は8,000円以内、
1食1500円以内で、みたいな自分への取り決め。
実際、
しらす定食は1,500円、東急インは7,900円(笑)。
でも、
ケチった感じではなく、無駄のない合理的な旅、
という印象です。
これも、湘南の、
人と景色のすばらしさ、
の印象が強かった!
からじゃないかな。
湘南は、
どうやらしらすが有名らしい。
いつも我が家がお世話になっている、
碧南のしらす屋さんによれば、今年は不漁で品薄だ、
とのことでしたが、
やはり、ここ茅ヶ崎でも同様のようで。。。
生しらすのはずが、
しらすの薩摩揚げに
メニュー変更となっておりました。
おいしかったですけど。
生しらす、食べたかった・・・
しらすのかき揚げに、
メインと言ってもいい、
しらすご飯!
ちょっと塩分取り過ぎの嫌いはあるが、
とてもおいしかった!
満足です。
数学者藤原正彦先生の著書『世にも美しい数学入門』によれば、
世界的な数学者の故郷をたどってみると、
例外なく美しい町で生まれ、お育ちになっておられる、
とのこと。
つまり、
完全で美しい数式を生むには美しさを認識する感性が必要で、
美しさを認識する感性には美しい故郷が必要、
というわけです。
従って、
このテーゼを真とするならば、
音楽にも同じことが言えるにちがいない、
と湘南海岸をとぼとぼ歩きながら、そう確信したのでした。
今回の旅の間中、
桑田さんのベストアルバムを聴いていたのですが、
今更ながらですが、
桑田さんの描く美しい旋律と抒情性は、誰にも真似のできない、
日本の宝と呼ぶべきもので、
その比類なき才能は、
この、どこを切り取っても絵になる、
美しい湘南で必然的に育まれたものなんだ、
と、
確信に近い信念を持ちました。
それにしても、
いつもの月一東京トリップが、
見えない力によって、
予期せぬ方向へ引き寄せられたのは、
桑田さんからのサブリミナルメッセージだったのかも!?