2019年初夏のブログです
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村上春樹 さんの『ノルウェイの森』(上・下)(1987・講談社)を再読しました。
まだ余韻にひたっていて、うまいこと文章が書けるかどうか心配ですが、なんとか書いてみます。
『ノルウェイの森』を読んだのはかなり久しぶり、感想文を書くのは今回が初めてです。
前回、読んだ時にも、いい小説だな、と思ったのですが、とにかくいい人が大勢死ぬので、いいんだけど暗い小説だな、というイメージが残ってしまい、再読がすごく久しぶりになってしまいました。
今回は何を感じたでしょうか。
一つは、死ぬことの辛さ、哀しさと生き残る者への打撃。
生き残るということの大変さを感じました。
もう一つは、そうはいっても、生き残ること、生き抜くことの尊さ。
人はどんなに苦しくても、そうやっておとなになるのでしょうし、そこに生きる意味の一つがあるのだろうなと感じます。
もっとも、解説めいたことを言っても仕方がない感じがしていて、この生き抜くことの大変さ、しんどさ、そして、すごさ、すばらしさを、ぜひ、村上さんの文章で味わってほしいな、と思います。
おそらく、何回読んでも色あせない文章だろうと思います。
こころの底のほうから揺り動かされるような、すごさがあります。
こう書いても、今、じーじが感じていることの何分の一しか表現できていないもどかしさを感じますが、とにかくすごいです。
年を取ったせいか、昔より死が遠い存在ではなくなってきている気がしていて、ひょっとすると少しずつ受け容れられるようになってきているのかもしれません。
しかし、だからこそ、生きることを大切にしたいですし、若い人たちが大切にできるように応援していきたいと思います。
そういうことを考えさせてくれるいい小説だと思いいます。 (2019.6 記)
懐かしい小説を取り上げていただきました。
私はこの小説を読んだあと舞台になったという砥峰高原に行ったことがあります。亡くなった彼女は双極性2型だったと解説本で読みましたが、私もまた読み返してみたくなりました。
ある方もおしゃっていましたが、こちらが年を取るにしたがって、感じるものが違ってくるのが面白いです。
年を取ることもいいものですね。