2019年のブログです
*
本棚を眺めていたら、懐かしい本を見つけました。
沢木耕太郎『バーボン・ストリート』(1989・新潮文庫)。
じーじが30代の頃、沢木さんも若い時の本です。
講談社エッセイ賞受賞とあります。
どのエッセイも面白いのですが、今回、特に印象に残ったエッセイを一つ、二つ。
一つは、北海道日高のコテージで高倉健さんらと語らうエッセイ。
モハメド・アリさんの貴重な試合のチケットを健さんが沢木さんに譲ったというエピソードなど、健さんの男気のある行動が明かされます。
健さんがアイヌの人から教えてもらったという、木を見て、方角を知る方法も興味深いです。
もう一つは、沢木さんが若い時にお世話になっていたという古本屋さんのお話。
お金のない沢木さんが欲しい本を取りのけておいてもらったというエピソードは、人のよい古本屋さんの人柄を表します。
もっともっとご主人とお話をしていればよかった、という沢木さんのお気持ちが伝わってきます。
なお、解説は山口瞳さん。
じーじは学生時代から山口さんの小説が大好きでしたが、山口さんの描く沢木さんのエピソードは面白くて、かつ、温かくて、後輩想いの山口さんの面目躍如です。
いい本を久しぶりに読めて幸せでした。 (2019.9 記)