ヨシムラ・サイエンス・ラボ

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ローマ時代のカラミンブラス

2018年08月25日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

本日は、黄銅の歴史について紹介します。
黄銅は銅に亜鉛を添加した合金で、真鍮(しんちゅう)とも呼ばれます。
紀元前後のローマ人が、銅にカラミンと呼ばれる亜鉛鉱石を混ぜて溶解すると黄色の合金、即ち黄銅が得られることを発見したようです。
この合金をカラミンブラスと呼び、亜鉛含有量は12~28%でした。
この合金はローマの貨幣に用いられたようです。
現在の日本の5円硬貨にも黄銅が使用されており、その亜鉛含有量は30~40%です。
日本の5円硬貨は、ローマ時代のカラミンブラスよりちょっと亜鉛含有量が多いですね。

ちなみに、黄銅と並ぶもう1つの代表的な銅合金である青銅の歴史は更に古く、紀元前4000年末頃と言われています。

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