つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

さらば、ムラサ。~津幡中央銀座商店街の面影。

2010年08月17日 08時16分20秒 | 日記
津幡中央銀座商店街の中で、象徴的な存在の1つだった「ファミリーデパート ムラサ」。
既に営業を停めてから2年余りが経つが、いよいよ建物の取り壊しが始まり、
その姿を消そうとしている。

かつては、衣料品と日用品、季節商品などを販売していた「ムラサ」。
津幡小学校・中学校指定の制服、布カバン、ナップザック、内履きなども取り扱っていた為、
定期的に足を運んだ場所である。
そして、子供の頃は、徒歩圏内で行ける唯一の衣料品店だった。

小学生時代、その「ムラサ」で、僕は「阪神タイガース」の野球帽を買ってもらった。
後頭部が黒の細かな網状になっていて、グレーの布の前面には、
鮮やかな黄色の「T」と「H」のロゴ。
カッコイイのだ。
何だかとても嬉しかった気がする。
それは多分、自分の意志で帽子を選び、手に入れた初めての体験だったからだろう。
嬉しくて仕方のなかった僕は、確か、同級生に見せびらかした。
彼は、「ムラサ」の向かい側にある豆腐屋の息子だった。
店先にいた彼を捕まえ、何をしゃべったのかはまったく覚えていないが
得意満面で自慢したのは間違いない。
そして、通りに面した「ムラサ」のショーウィンドウの中に入り込み、
ピカピカの帽子を被って、マネキンを真似てポーズを取ったりした。
無邪気というか馬鹿というか、ま、子供らしいエピソードではあるが…。

頭の中でその思い出を反芻する時、ゴマ油の香りが漂ってくる気がする。
それは、豆腐屋の店先で油揚げを作っていたせいだ。
その豆腐屋さんは、今も健在。
スーパーマーケット「カジマート」に足を運べば購入できる。
「ムラサ」は無くなろうとしているが、美味しい豆腐はこれからも味わいたいものだ。
コメント
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