つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

晩夏と初秋、2つの季節が交わる津幡。

2010年08月28日 12時37分17秒 | 草花
『早稲の香や 分け入る右は有磯海。』

元禄2年(1689年)の旧暦7月15日。
つまり現在の8月末~9月初め頃、
奥の細道を行く「松尾芭蕉」が詠んだ歌である。

早稲の香りが漂う一面の稲田を分け入ってゆくと
右手からは磯の香りを含んだ風が吹き、紺碧に輝く有磯海が見えてくる。
越中と加賀を隔てる国境…砺波山か倶利伽羅峠から、
遠く富山伏木の富山湾を遠望して景色を楽しむ様子が伝わってくる。

ちょうど、今はそんな歌の季節だ。
つい1ヶ月前まで一面緑の草原が広がっていた津幡町の田園に
稲が実りを結び、田んぼ全体が色づき始めた。
品種によっては刈り取りが始まったとのニュースも聞く。
暦通り「初秋」の訪れを実感する。
一方、まだまだ夏の気配が去らないのも2010年の特徴だ。
「晩夏」の残暑はなかなか厳しい。

「今日の一枚」は、秋と夏…2つの季節を象徴する2つの黄金色の共演である。

『日輪の花にはにかむ 稲穂かな。』
コメント
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