つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

朝の津幡町で嗅いだ、幻。

2012年09月21日 22時50分56秒 | これは昭和と言えるだろう。
「今日の一枚」は、県道59号線の「本津幡駅前交差点」にて撮影。
今年7月21日に、隣のかほく市より移転した「もみの木カフェ」である。
こちらの看板メニュー…ベルギー・ワッフルは、評判が高い。
僕もプレーンタイプをいただいて、納得した。
シュガーコーティングされた程良い固さの生地を噛むと、
口に広がる広がるバターの香り…。
確かに美味い。
是非、長きに渡って繁盛して欲しいものだ。

さて、ここから話題にしたいのはそのお店ではない。
画面奥…信号待ちをしているバスのさらに奥。
交差点角にあった「貯木場」について想いを馳せてみようと思う。

僕が子供の頃、そこには樹皮が付いたままの状態で、
「丸太」になる以前の材木が、地面の上に何本も横たわっていた。
また、傍らの製材所らしき建物からは、
時折、チェーンソーがチュイーン!と甲高い音が響いていた。
また、貯木場の隅には「おが屑」が山積みになっていて、
カブト虫やクワガタ虫の用土に混ぜるため、度々、拝借した。

生活燃料が薪から化石への移行期にあたる昭和30年代。
輸入自由化によって流れ込んできた安価な海外産に押され、
住宅材の自給率が一気に低下した昭和40年代…。
日本の森にとって大きな転換点となった頃を境に姿を消した、
津幡町の貯木場。

今となっては、名前も思い出せない幻である。
しかし、今も僕は「本津幡駅前交差点」を通ると、
あの辺り一面に漂っていた「木の香り」を思い出し、
懐かしい気持ちになるのだ。
コメント (2)
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