つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町に活気を送り込む鞴(ふいご)。

2016年11月19日 09時27分38秒 | 日記
「ベローズ」と聞いて、その正体が思い当たる方は、
英語、または、金属機械関係の造詣が深いに違いない。
予めお断りしておくが、僕自身はどちらも極めて不得手であり、
本日の投稿には、齟齬・曖昧が含まれているであろう事をご容赦願いたい。

さて、「ベローズ(Bellows)」の日本語訳は「鞴(ふいご)」または「蛇腹(じゃばら)」。
「ふいご」は、火を燃やす窯の中に風を吹き込む道具。
「蛇腹」の代表的な造作は、楽器のアコーディオンが分かりやすい。
音を鳴らすため、手動で開閉させ本体に空気を送り込むアレだ。

また、これらと似た形状の「ひだ」を、筒状の金属製品に設け、
伸縮性・気密性・バネ性を持たせたものも「ベローズ」と呼ばれている。

半導体や真空機器に欠かせない「金属ベローズ」は、
原子力・石油化学・鉄道・医療・建築等、幅広い分野に用いられている。
つまり、現代の生活に大きな恩恵を及ぼしているのだ。
わが津幡町には、そんな金属ベローズを生産する企業がある。
「株式会社久世ベローズ工業所」だ。

創業は、昭和14年(1939年)。
創業者久世重勝氏、東京都西品川において「液圧ベローズ研究所」を設立。
昭和18年(1943年)、東京都西六郷にて「久世航空精機(株)」を設立。
昭和20年(1945年)、石川県高松町に疎開。
昭和22年(1947年)、「久世ベローズ工業所」を開設。
昭和24年(1949年)、石川県河北郡津幡町字南中条へ移転し現在に至る。
津幡、羽咋、韓国に工場を有し、2016年4月現在の従業員数は474名。
金属ベローズのパイオニアであり、関連製品の国内生産トップシェアを誇っている。

金属ベローズの用途は前述の通り。
しかし、子供時代の僕は次のように誤解していた。
「ベローズは、航空機の飛行高度計測に使う部品らしい」。
昔、耳に挟んだウワサに端を発する勘違いだが、
同社の沿革を拝見すると、ほんの少し、遠因も感じられる。

…ともあれ、津幡町に本丸を構える製造業「久世ベローズ」の存在は、大変貴重。
これからも存続し、大いに気を吐いて欲しいものである。

コメント
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