つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

前略、道の上より。

2017年10月22日 13時52分54秒 | これは昭和と言えるだろう。
人の行動範囲は、ある時点まで成長に従って拡大する。
僕の場合は、今がピーク。
まあまあ健康で、それなりの元手もあり、日本中~海外にも足を運ぶことが可能だ。
もちろん、仕事や生活のしがらみから「いつでも」出来る訳ではないが、
遣り繰りすれば、とりあえず「動ける」。
しかし、金も術(すべ)も体力もない幼い頃の活動は棲家の周囲がせいぜい。
…古い住宅街の狭い道。
僅か20メートルに満たないここが、僕にとっての世界の果てであり、遊び場だった。

マイカーが高値の花だった時代に造成されたため、自動車の通行を考慮していない道。
車同士がすれ違うのに難儀する程だが、かつてそんな心配は必要なかった。
だから、幼馴染と一緒にキャッチボールや缶蹴り、徒競走に興じたり、
何処からか這い出てきたシマヘビを捕まえてアスファルトに叩きつけたり、
銀玉鉄砲を撃ちあったり、爆竹やカンシャク玉を鳴らして騒いだり、
直に胡坐をかいて漫画を読み耽ったり。
この道の上で、散々遊んだものである。

あれから時が経ち、僕はオッサンになった。
散歩の折に見かけるご近所の方々もご高齢になった。
営みも移ろっている。

長きに亘って営業していた美容院の灯か消えた。

51年か…。
お疲れさまでした。

また、最初に掲載した画像のどん付きにある住宅が売りに出されていた。
ここには昔、学校の先生が住んでいたっけ。
今も健在なのか?何方で暮らしているのか?知る由もない。

その建物の裏、ホタルやカエルを追った場所で、
風に揺れる稲穂を見かけなくなって久しい。
たった半世紀前と比べ、世界は変わった。
コメント
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