つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

愛と哀しみのクピド。 ~ キューピッドとキューピー。

2018年10月04日 06時27分05秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第九十五弾は「キューピッドとキューピー」。

赤ん坊のようにも、天使のようにも見える「キューピー」は、アメリカ生まれ。
今からおよそ110年前、1909年(明治44年)の暮れ、
女流イラストレーター「ローズ・オ・ニール」によって考案されたキャラクターである。

やがて、その魅力は北米を出て、世界へ進出するのだが、
プロモーションに一役買ったのが日本。
メイド・イン・ジャパンのセルロイド製「キューピー人形」は、
大正から昭和戦前にかけ主力輸出産品の一翼を担った。

また、同時に、キューピーは日本国内でも浸透。
その最たるものは「キユーピーマヨネーズ」だろう。
まもなく創業100年を迎え、今も食卓には欠かせない調味料のパッケージには、
黒く大きな瞳が特徴の「和風キューピー」が微笑んでいる。

そんな各国で愛されるキャラクターの元になったのは、愛の神「キューピッド」。
ローマ神話の大ボス「ジュピター」を父に、美神「ビーナス」を母に持つ、
天上界のサラブレッドにして、有翼の美少年。
彼が携える2本の矢は、恐ろしいほどの力を持つ。

黄金のそれで射貫かれた者は恋に落ち、
鉛の矢の標的になれば憎悪の炎に身を焦がす。
気まぐれに人心を操る、何とも罪作りな神様なのだ。

だから、前触れもなく訪れる「一目惚れ」や「恋のもつれ」などを、
人々は、キューピッドが引き起こした悪戯なのだと考えた。
御し難く、時に命にも関わるほどの激情に苛まれるのは、
神の仕業なのだから致し方ない。
・・・という訳だ。

ちなみに、「キューピッド」のラテン読み「クピド」は「欲望」を意味している。
コメント
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