以前、漫画家「松本零士」氏の描く女性キャラクター(LINK有)について投稿した。
「ユキ7号(セクサロイド)」。
「森 雪(宇宙戦艦ヤマト)」。
「メーテル(銀河鉄道999)」の3人を例に挙げ、
彼女たちに共通する“零士式 美のエレメント”を次のように定義づけてみた。
<体型は一様にスレンダー。細い腰と長い脚、適度に膨らんだ胸のライン。
ロングヘアーで、切れ長の涼しい瞳が蠱惑的。>
--- 今回のモチーフも、その系譜に属する。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載第百六十四弾は、宇宙海賊「クイーン・エメラルダス」。
「海賊(かいぞく)」--- と聞いて、貴方は何を思い浮かべるだろうか?
ハリウッドムービー、テーマパーク。
日本史上なら、倭寇(わこう)、村上・九鬼などの水軍(※)。
世界史上なら、バイキングにカリブの海賊。
現代なら、海洋での略奪行為、捕鯨妨害組織、漫画「ワンピース」。
生まれた年代や興味の対象によって抱く印象は様々だろう。
(※海上を横行し船などを襲う盗賊とは一線を画す)
僕が「海賊」の2文字に「古い時代のロマン」を感じてしまうのは、
初めてその存在を知ったのが「宝島」だからかもしれない。
「宝島」は、19世紀のイギリスの作家「スチーブンソン」による海洋冒険小説。
海辺のさびれた宿屋に住む少年「ジム・ホーキンズ」が、
財宝を巡って数奇な冒険へ出帆する物語。
お話しに登場する海賊は、
ドクロの旗を掲げた帆船を操り、ラム酒と武勇を好む荒くれ集団。
悪い奴らだが、過去の産物である。
陸(おか)のしがらみや常識に縛られない生きざまに、
当時、子供だった僕は言い知れぬ「憧れ」を覚えたものだ。
SFの世界には、そんなロマンの典型ともいえる存在がいる。
“星の海”---宇宙空間を縦横無尽に駆け巡り、
傍若無人、または自由闊達にふるまう孤高の輩(やから)--- 「宇宙海賊」。
思い浮かべるのは、やはり「松本零士」氏のペンによる「キャプテン・ハーロック」。
--- そして今回のモチーフである。
「エメラルダス」の出自は、少女漫画の短編読み切り。
女だけの海賊船の船長として世に出た。
その後、連載漫画では設定を変更。
仲間や部下を持たない一匹狼の女宇宙海賊になって、
以降「松本漫画」の名脇役として活躍の場を広げる。
特に、『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』シリーズと、
『銀河鉄道999』シリーズでは、重要な役回りを与えられた。
--- いや、誤解を怖れずに言うなら“都合よく使い回された”。
もちろん「エメラルダス」を主人公にした話もある。
しかし、その数は決して多いと言えない。
影が薄いのである。
顔に大きな傷を持つ、謎多き女。
暗い瞳の奥に冷たい炎を宿した女。
姿を見た者は死ぬと噂され恐怖の対象になり、
メインキャストになり切れない、美しき日陰者。
僕は、彼女に惹かれる。
貴公が描かれたイラストにはオリジナルティを感じます。他のブロブも興味を持って読ませてもらいました。特にガロ(我路)とカムイ伝の記事を読んでとても懐かしく思いました。ちなみに、我が家には小学館文庫のカムイ伝1(昭和55年、第7刷)からカムイ伝15(昭和55年第1刷)があります。その後のカムイの生き方を描いた作品も読んでいましたが、そのコミックは持っていません。私自身はこの作品は白土三平さんのライフワークだと思っています。
これからも、貴公のブログを読ませてもらおうと思います。
コメント&フォローありがとうございます。
拙ブログ主宰「りくすけ」です。
こちらは北陸在住の56歳のオッサンです。
70~80年代に一世風靡した松本零士氏の一連の作品は我々世代にとって思い入れのあるものですね。僕もアニメをよく観ましたし、作者が描いた漫画作品も手に取りました。白土三平氏のカムイ伝も同様でした。どちらも、折に触れて読み返しています。
拙ブログのメインは、僕が生まれ育った町の記録。「松橋の松」様には馴染みのないローカルな話題も多いかと思います。不定期にイラストコラム、競艇も登場します。それぞれに好き嫌いはあるでしょうが、同世代としての視点で楽しんでもらえれば幸いです。時間と都合が許せば覗きにきてやってくださいませ。
では、また。
かなり変わった子供で、(今でも変わっていますが) アニメにも興味がなかったというか、みんなの興味のあることには、天邪鬼でスルーしていたのかもしれません。この齢になってでも、知ることができたことは、幸せです。りくすけさん、ありがとうございます。
では、また。
人それぞれです。
我々の子供時代「松本零士」作品は、間違いなくヒット商品でしたが、万人の共通体験ではありません。僕個人の思い入れが強かっただけのこと。
拙ブログがキッカケになり、もしも多少の興味が湧いたなら幸いです。
では、また。