最近、個人的に何かと気になる話題の一つが「ウクライナ情勢」だ。
ウクライナの位置は、日本から遥か9000km。
国の東にロシア。
西にポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、モルドバ。
北にベラルーシ。
南には黒海を挟んでトルコがある。
国土面積は60万平方キロメートル(日本の1.6倍)。
人口は4200万人あまり(2021年現在)。
首都は、キエフ。
国土の大半が肥沃な平原、高原地帯。
山岳地帯が少なく、古くから農業が盛ん。
一方、国土が平坦なため、攻めやすく守りにくい。
紀元前から、何度も為政者が入れ替わってきた。
現在の姿になる以前は「ソ連邦」の一員。
簡潔に述べるなら、ロシアに支配されていた。
ソ連崩壊後、ウクライナは独立したが、
「親ロシア派」VS「親EU派」で、今も国内は二分しているという。
そのウクライナとの国境周辺地域で、ロシアが軍備を増強して3ヶ月あまり。
いよいよ軍事侵攻が始まるのではないかと懸念されている。
最近、東ヨーロッパから届く緊張感漂うニュースを耳すると、
ある小説を思い浮かべてしまう。
それは「春江一也(はるえ・かずや)」著、「プラハの春」という。
物語の舞台は、東西冷戦下のチェコスロバキアの首都プラハ。
主人公は、在プラハ日本大使館職員の青年「堀江亮介」。
ヒロインは、東ドイツ出身の美女「カテリーナ」。
2人の恋愛と、歴史に翻弄される国家の激動をメインに描いた大作で、
僕は大変気に入っている。
--- 小説について詳しくは別の機会に譲りたい。
やがて不定期イラスト連載「手すさびにて候」で取り上げようと考えている。
今回は、作品のタイトルでもある「プラハの春」の話だ。
1968年当時、彼の地では変革運動が起こっていた。
低迷した経済、硬直した体制の立て直しに向け、
「社会主義の枠内で社会・政治制度の民主化」を目指したのだ。
それまでの重苦しさから解放される比喩として、
明るい季節を当てはめ「プラハの春」と呼ばれた。
試みは上手く行くかに見えた。
しかし、ワルシャワ条約機構軍(ほゞソ連軍)の軍事介入によって頓挫。
わずか8ヶ月の短命に終わる。
ソ連の言い分はこうだった。
「社会主義陣営の国が一つでも危機に陥ると、影響は全体に及ぶ。
そのため他の国家は無関心でいることはできず、
陣営の利益を守るために一国の主権を乗り越えることができる」
要は“飼い主の忠犬であれ!”ということ。
忠義を守らない犬には、容赦なくムチを振るう。
この考え方は、ソ連の対東欧政策に一貫している。
現在、ウクライナに牙をむいているのはロシア。
ソ連ではないが、本質に変わりはないのかもしれない。
今頃、キエフは憂いの虜(とりこ)になっているだろう。
イワン共は来るのか、来ないのか。
54年前のプラハに似て、戦々恐々としているに違いない。
(※上掲画像は、書籍とロシア製ビスケットと新聞記事)
ロシア、プーチン大統領を見ていると、彼らは、我々西側諸国の正義と違う正義をかざしているんじゃないのかな?と思いますね。
日本で「民主主義を絶対的価値」とすることに異を唱える人は少数派でしょう。我々にとって、民主主義は絶対的正義です。NATOの拡大は、民主主義の拡大と限りなくイコールです。
一方、ロシアやプーチン大統領にとって、民主主義は、脅威でしかないのでしょう。しかし、民主主義を地球上から抹殺しようとは思っていない、ロシアが脅威にさらされなければ、それで良い。だから緩衝地帯のウクライナが、NATOに加盟してもらっては困るのですよね。対岸に立つと正義も変わるのですね。
いい迷惑なのは、ウクライナですよね。ロシアの都合で、緩衝地帯にさせられている訳です。
長いこと共産主義国で仕事や生活していると、「これが共産主義かよ!」と思う反面、「これは、これで、ありなのかな」と思うようになってしまう訳です。
では、また。
ご自愛のほど
追)「手すさびにて候」楽しみにしています。
私はウクライナ危機と聞いて、クリミア戦争をすぐに思い出しました。
クリミア戦争(1853-1856)とは黒海沿岸の覇権をかけ、ロシアとオスマントルコが対立し、更にトルコを支援する仏英を中心とした欧州各国との間で起こった戦争です。1853年7月にロシアがオスマントルコの配下にあったモルダヴィア公国(現ウクライナ)などに侵攻し、戦争が勃発しました。
今、全く同じ事が同じ場所で起きようとしています。
実はクリミア戦争で敗れたロシアは勢力を極東に向け、その50年後には日本と衝突し、日露戦争が勃発します。その35年後にはノモンハン事件も勃発。世界は第二次世界大戦へと突き進みます。
あ〜あこれも記事にしたくなりました。
第二次世界大戦末期、
英米ソの首脳が戦後秩序を話し合ったのは、
クリミア半島のヤルタでしたね。
歴史の節目に度々登場するクリミアは、
歴史が転換するポイントなのかもしれません。
ぜひ「象が転んだ」さんの筆による
クリミア戦争、日露戦争、ノモンハン事件などの
内幕を読んでみたいものです。
都合と時間が許すタイミングで、
貴ブログに掲載して下さいませ。
楽しみにしております。
では、また。
(上に自分の名前があって驚きましたw)
昨今のウクライナ情勢は気になるところですね。
近年、ウクライナで戦前ロシアがした恐ろしい事実についての映画を観ました。
今も昔も、ロシアはウクライナでやりたい放題なのでしょうか。
よかったらご笑覧ください。
https://blog.goo.ne.jp/franny0330/e/25bc2afc8fc1e9929ab08874d4f9b654
「プラハの春」読んで見ようと思います。
またお名前記載間違い、失礼しました。
本記事ではなくコメント欄の誤り故、
放置しておりましたが、後で修正致します。
ロシア---ウクライナに限らず対東欧では
数々の圧政を敷いてきた歴史があります。
中でも「スターリン」の悪政は飛び切り。
彼が死んだ後、スターリン批判が起こり、
チェコスロバキアの政治運動につながりました。
小説「プラハの春」は、その辺りも詳しく、
なかなか読みごたえがあります。
半世紀前の空気も味わえるかと思います。
多分に男目線のメロドラマもありますが、
寛大に見てやって下さいませ。
「赤い闇」、観てみようと思います。
では、また。
立て続けのコメントありがとうございます!
19世紀の「帝国主義国家」の多くは、
第二次大戦を境に植民地を手放しました。
一方で植民地を抱えたまま歴史を重ねたのが、
共産・社会主義の赤旗を掲げる2つの大国、
「ソビエト社会主義共和国連邦」と
「中華人民共和国」だと思います。
ソ連は21年前に崩壊し、一度は植民地を解放。
今また復権を目論み火種になっています。
中国は清朝期からウイグル・チベットを解放せず、
火種は燻り続けています。
ロシアも中国もとどのつまり専制帝国に思えます。
うまく取りまとまらず
支離滅裂なお返しになりスイマセン。
手すさびにて候「プラハの春」篇、
描きあがった際は、ご感想お待ちしております。
では、また。