※以下本文:5月28日午前11時投稿 末尾に追記アリ
今夕、福岡県 遠賀郡 芦屋町の「芦屋競艇場」に於いて今年2つ目のSG競走、
「第50回 ボートレースオールスター」優勝戦が行われる。
ファン投票で選ばれた者と推薦枠あわせて52名、
綺羅星の如き人気レーサーたちが一堂に会し覇を争ってきた。
5日間の激戦を勝ち抜き、最後のピットへ舳先を進める6戦士は以下の通り。
1号艇:石野 貴之(大阪)
2号艇:濱野谷 憲吾(東京)
3号艇:倉持 莉々(東京)
4号艇:深谷 知博(静岡)
5号艇:山田 康二(佐賀)
6号艇:瓜生 正義(福岡)
--- 正直、こんな組み合わせになるとは思いもしていなかった。
予選トップ3で生き残ったのは「石野」のみ。
つまり準優勝戦は、穏やかではなかったということである。
昨日の10Rは2つの波乱が起こった。
一つ目は、3号艇が痛恨のフライング。
スタートを切った直後に戦線離脱が決まる。
更に、この勇み足は二つ目の波乱を演出。
フライングが場内に掲示される前、3号艇が内側を叩く体制でファーストターン。
それを1号艇が捨て身の迎撃ブロック。
1と3が激しくぶつかり、勢い余った1はターンマークに接触。
バランスを失い水面に投げ出されてしまった。
そして、その直後、事故現場をすり抜けた5号艇がトップに躍り出る。
ハンドルを握るのは女子レーサー「倉持莉々」。
モーターパワーと軽量を利して、鮮やかなターンを繰り出し激戦を制した。
昨日の12Rは一発勝負が実った。
スタートスリットは、5号艇がトップ。
ずば抜けて速いわけではなく、1~4号艇が遅いのだ。
特に隣の4号艇はドカ遅れ。
5号艇がその隙を見逃すわけはなく一気に捲りに出た。
他艇の抵抗をものともせず、気合の握りマイが炸裂。
煽りを食った1号艇が、あわや転覆の危ないシーンもあった。
コケかけた1号艇を駆っていたのは個人的なイチ推しレーサー「毒島」。
何とか立て直してゴール。
幸い怪我はなかったようだが着順は6番。
今節は予選トップ通過を果たし優勝最有力と見られていた。
僕もそう思っていた。
だが勝負に絶対はない。
僕も彼もここで涙を呑んだ。
冒頭で記載した通り優勝戦1号艇は“浪速の快男児”石野貴之。
きのうの11Rをキッチリ制し、強敵が次々と脱落して転がり込んできたポールポジション。
流れは最高にいい。
“東都のエース”濱野谷憲吾、“福岡のドン”瓜生正義らに挟まれ、
29歳の女子レーサー“東都のプリンセス”倉持莉々が偉業にチャレンジする。
果たして最後に笑うのは誰か?!
ファンファーレは、本日(2023/05/28)午後4時40分。
ネットでもTVでも生中継アリ
都合と時間が許せば、是非観戦してください!!
※以下追記:5月29日午前8時投稿
<完勝と敢闘と二つ共に在り。>
スターウォーズの勝者となったのは「石野貴之」だった。
速くなり過ぎず、遅きに失しない「負けないスタート」を切り真っ先に逃走を図ると、
ファーストターンで後続をあっという間に振り切ってゴールまで駆け抜けた。
勝つべく人が勝った文字通りの“完勝”である。
--- が、もしもこのレースに「毒島」と「茅原」がいたら、
きのう涙を呑んだツートップがいたら、と考えてしまう。
三強による三つ巴の戦いが観たかった。
スターウォーズの敗者で最も輝きを放った星は「倉持莉々」だった。
石野の牙城を脅かすまではいかなかったが、
他の強豪と抜き抜かれつ火花が散るような真っ向勝負。
観ていて胸が熱くなった。
文字通りの“敢闘”と言っていい。
元水球日本代表、整った容姿。
17歳で患ったがんを克服してプロレーサーに。
何かと話題に事欠かない彼女だが、その実力はとても高い。
今後が楽しみである。
おめでとう、石野!
ありがとう、倉持!
私も読んでて熱くなりました。
女性がここまでやれる時代なんですね。
プロスポーツ界ではまだまだ男女差は明確なレベルで、同じ土俵で戦うなんてボートくらいでしょうか。
そういう意味でも、歴史上に残る凄いレースだったと思います。
では・・・
競艇記事に共感をもらい嬉しい限りです。
おっしゃる通り男女平等で競うプロスポーツは、
競艇しかないように思います。
また、女子レーサーが現在のレベルに達するまで
40年余りを擁した月日を振り返ると、
ますます深い感慨を覚えてしまいます。
では、また。