つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

普段からの不断の努力。

2015年06月13日 09時34分54秒 | 日記
数年前「塩野七生さん」が著した「ローマ人の物語」を読み耽った。
およそ1200年の古代ローマの歴史を辿り、15年の月日をかけた力作である。

その中の一巻…「すべての道はローマに通ず」では、
古代ローマ人が築き上げたインフラに特化していた。
ハード面では、有名なローマ街道、橋、港や神殿、水道に公共浴場。
ソフト面なら、安全保障、治安、税制、郵便、通貨。
「ローマ人の物語」によれば、
膨大な金と時間と労力をかけて整備したインフラについて、
古代ローマ人はこう考えていたそうだ。

『人間が人間らしい生活をおくるために必要な大事業』

これは、普遍的で絶対的に不可欠な姿勢だと思う。
僕が暮らす津幡町でも、その一端が見て取れる。



経年劣化した護岸を補強し、橋の耐震工事を行い、
自然災害や事故などの不測の事態に備える。
町民の安全のためには必要な仕事だと思う。
そのために、納めた税金が使われることには、何の異論もない。

最後に「ローマ人の物語-すべての道はローマに通ず」より
引用させてもらいます。

『現代でも、先進国ならば道路も鉄道も完備しているので、
 われわれはインフラの重要さを忘れて暮らしてゆける。
 だが、他の国々ではそこまでは期待できないので、
 かえってインフラの重要さを思い知らされる。
 水も、世界中ではいまだに多くの人々が、
 充分に与えられていないのが現状だ。
 経済的に余裕がないからか。
 インフラ整備を不可欠と思う、考え方が欠けているからだろうか。
 それとも、それを実行するための、強い政治意思が欠けているからか。
 それともそれとも、「平和」の存在が保障されないからであろうか。』
(※原文ママ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

期間限定の不安定な小宇宙。

2015年06月07日 08時34分53秒 | 自然
津幡川に「浮島」が漂っていた。
画像では、右から左へと動いている。



辞書によれば浮島の定義は以下のとおり。
「湖や沼などに浮かんでいる、島のようなもの。
 泥炭や植物の枯死体などの集まりで、
 植物が生えている場合もある。」

…なるほど。
撮影したそれは、典型的な例だと言えるだろう。

想像するに、最初は一本の枝だったのかもしれない。
上流の何処かで、誰かが手折って捨てたのか、
あるいは風雨で折れたのか、ともかく一本の枝が樹から水面に落ちた。
淀みに捕えられた枝の周囲に漂流物が集まり、
徐々に面積が広がってゆく。

やがて、風に乗って運ばれてきた草の種が島に落ち、芽を出した。
水面下では、プランクトンやエビ、ヤゴ、カワムシなどが暮らし始め、
それを目当てにフナやコイもやってくる。
事実、周囲では魚影も見え隠れしていた。
こうなれば、立派な「命の寄り辺」…「一つの世界」だ。

しかし、漂着物が一定の質量を超えたところで何らかの外的要因が働き、
流れに乗って動き出してしまった。

浮島の行き着く先は「崩壊」。
下流には「川尻水門」が待ち受けている。
門が閉じていたなら、
他のもっと多くの漂流物によって押しつぶされてしまうだろう。
門が開いていたなら、
圧倒的な水流に巻き込まれて砕かれてしまうだろう。

その時、浮島を頼りに生きる命はどうなってしまうのか…?
想像に難くない。

運命とは、残酷なものだ。

では、また。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美の価値観。~初夏に晩春を思う~

2015年06月06日 09時31分18秒 | 草花
散歩中、眼福にあずかる一つが「花」だ。
民家の軒先や庭先、街路、山肌、あらゆる風景のどこかに花がある。
季節によって咲開く種は変わるが、一年を通じて絶える事はない。
日本が自然豊かで、日本人が花を愛しているのがよく分かる。
その最たるものが「桜」ではないだろうか。

開花。
三分咲き。
五分咲き。
七分咲き。
八分咲き。
刻々と蕾が綻ぶ様子を楽しみ、満開を待つ。
そんな花は、桜しかない。
しかし、風に桜吹雪が混ざり始めると、急激に熱は冷めてしまう。
まるで「祭りの後」だが、個人的には、この散り際が好きだ。
鈴なりに枝を彩る以外に、多様な美が鑑賞できる。
例えばこれ。撮影場所は、津幡小学校のグラウンドの下。



まるで、流れ落ちる滝のよう。
鈴木清順や大林宣彦の耽美派映画のワンシーンに登場しそうで、
気に入っている。

では、また。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする