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原子力防災訓練で、避難所に入るためバスから降りる住民ら=揖斐郡揖斐川町上南方、町中央公民館
初の住民参加、防災訓練 岐阜県など敦賀原発での事故想定
◆UPZ内から避難
最も近い県境から25キロにある敦賀原発(福井県敦賀市)の事故による放射性物質漏えいを想定した原子力防災訓練が23日、県庁や揖斐郡揖斐川町などで行われた。初めて住民も参加し、UPZ(緊急防護措置区域)からの避難訓練や、救護所でのスクリーニング(身体表面汚染検査)訓練などに臨んだ。県が18日に定めた原子力災害対策計画に基づく事故対応に習熟し避難などの行動を住民に広めようと、同町と共同で実動訓練を企画。情報伝達を含め、県、県内42市町村、警察、消防などから約500人が参加した。
このうち避難訓練は同原発から約34キロの距離にあり計画でUPZとされた同町坂内川上地区の住民ら50人が参加。同日午前8時半、戸別受信機から避難指示の放送が流れると、かっぱとマスクを着用して川上集会所前に徒歩で集合。バスに乗り、同58キロ離れた同町上南方、町中央公民館まで避難した。一部の住民は自家用車で移動。救護所では保健所職員から放射線測定器で身体表面汚染検査も受けた。このほか防護服をまとった県職員が同町と大垣市の2ルートで可搬式の放射線量測定器を使って緊急時モニタリング訓練を実践。西濃保健所揖斐センターの薬剤師が安定ヨウ素剤の模擬調合を行った。災害対策本部の運営訓練もあり、新たに整備したテレビ会議システムで県庁と町役場をつないで古田肇知事と宗宮孝生町長ら幹部が対応を協議し、避難指示も伝達した。バスによる避難訓練に参加した川上地区住民の神谷まさ子さん(75)は「現実に事故が起きたら大変なことになると思った。いつ帰れるか分からない避難となったとき何を持ち出せば良いのかと途方に暮れそう」と話した。