映画『残されし大地』予告編
ドキュメンタリー映画『残されし大地』
◆2017年3月シアター・イメージフォーラムにてロードショー!フォーラム福島、シネマテークたかさきほか全国順次公開◆
■公式サイト: www. daichimovie.com
■ジル・ローラン監督が見つめた、フクシマの“人と土地のつながり”―
2011年3月11日福島原子力発電所の事故のあと、福島第一原発から約12キロに位置する富岡町は帰還困難区域として指定された。そこにひとり留まり、猫、犬、牛、かつて第一原発で飼育されていたダチョウ等の動物保護活動を続ける松村直登の存在からこの映画は始まった。
監督のジル・ローランは、ベルギーを拠点に主に欧州で活躍するサウンドエンジニアだった。妻の母国である日本に2013年に家族と共に来日。“福島”について調べる中で、海外メディアで紹介されていた松村さんの存在を知り、自らメガホンを取る事を決意。そして選んだ題材が“土地と寄り添いながら生きる人たちの力強さ“だった。3組の家族に寄り添う事で、日常としての福島、そして故郷を愛する思いを紡ぎ出す。 “反原発”を声高に語るわけではなく、土地本来の持つ変わらぬ自然の美しさを切り取り、感じ取ってもらうことに、ジル・ローランの監督としてのメッセージが込められている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/1e/1b21dac601d416b9389ed1f874caedab.jpg)
福島第一原発から約12キロ離れた、福島県双葉郡富岡町。3.11以後、町に残された動物を保護し育てる為、自分の故郷・富岡町に残る事を決めた松村直登。寡黙な父とふたり、いまも避難指示解除準備区域の自宅に留まっている。
「水と土で生きてるんだ。」と穏やかに語る農作業中の半谷さんの背後にはフレコンバックが積まれ、除染作業が淡々と行われている。故郷で生きる事を決意した彼らは、自分達、そして故郷に突きつけられた現実の中、たくましく笑顔で日常を送っていた。
お彼岸の墓参りで“来年こそ”は故郷への帰還を先祖に誓う佐藤夫妻の手には、放射能測定器があった。南相馬市の自宅の庭に実った、自然の再生、生命力の象徴と言われるイチジクを食べながら、かつてこの町に暮らしていた友人たちと語らう時間。各々が家族の事情を抱え、3.11以後の国や行政、そして故郷に戻る者、戻らない者の間に生まれる葛藤に揺れ動いていた。
淡々と進んでいく日常生活の中で、彼らが自然体で紡ぐ言葉の中に“ある日”を境に、かつての故郷を失った人間たちの今とこれからが見えてくる。
■初監督作品にして遺作となった、生命の映像詩。妻の母国・日本で待望の公開。
パリ同時テロ後の12月、編集作業のためにジル監督は祖国ベルギー・ブリュッセルに一時帰国。編集作業が最終段階に差し掛かった2016年3月22日ベルギー地下鉄テロで命を落とすという思いがけない事件が起こる。映画はジル監督の想いを受け継いだ、プロデューサーや同僚らの手によって完成。そしてベルギーの仲間達、妻の熱い想いが伝わり、NHKおはよう日本や各新聞など多くの媒体でも取り上げられ、2017年日本での公開が決定した。まさに製作者が、命を懸けて、命の尊さを描いた珠玉のドキュメンタリー映画である。
監督:ジル・ローラン
プロデューサー:シリル・ビバス
出演:松村直登ほか
制作:CVB Brussels
配給プロデューサー:奥山和由 (チームオクヤマ)
配給協力:太秦
提供:祇園会館
後援:ベルギー王国大使館/ベルギー観光局ワロン・ブリュッセル
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2016|ベルギー|カラー|DCP|5.1ch|76分