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籠池氏を恫喝 “安倍首相を守る”質問に終始した自民の醜悪
それにしても自民党の尋問はサイテーだった。真相を解明しようという気はサラサラなし。籠池理事長は「嘘つき」だというイメージを国民に植え付けるのに必死で、一体、誰のための証人喚問なのか、という醜悪な内容だった。
午前中の参院で自民党を代表して質問に立った西田昌司議員は、冒頭から「やっつけてやろう」という態度全開。安倍首相サイドとの証言の食い違いを指摘しながら、「あなた、偽証に問われますよ」「最初からお金ないんじゃない」と何度も恫喝発言を繰り出した。さすがに下品で、野党から「恐喝まがいだ」とヤジが飛ぶほどだった。
午後の自民党は葉梨康弘衆院議員。元警察官僚で、“尋問のプロ”として選ばれたようなのだが、その話しっぷりは嫌みったらしいったらなかった。葉梨議員が特に執着したのは、「安倍晋三記念小学校」と書かれた寄付金の振込用紙がいつまで使われていたのか、という点。安倍昭恵夫人が名称利用を断った後も古い振込用紙を配布していたのではないかと、ネチネチただし、「偽証罪」や「詐欺罪」に追い込もうという意図がミエミエだったのだ。
■問題の核心には迫ろうともせず……
自民は衆参で合計70分もの尋問時間があった。なのに国民が最も関心を寄せる「なぜ国有地が8億円もディスカウントされたのか」「なぜ小学校開設がスピード認可されたのか」というこの問題の核心に、迫ろうとしなかった。ひたすら、「安倍首相を守る」ための質問を繰り返した。
そもそもこの証人喚問が決まったのは、「首相を侮辱したから」という信じられない理由だった。「首相から100万円寄付」の籠池証言を耳にした安倍首相本人が激怒したことが発端だった。
「古代ギリシャの哲学者・ピタゴラスに『怒りは常に愚行に始まり、悔恨に終わる』という言葉があります。森友問題で、安倍首相は感情的になるあまり、怒りに任せて強引に籠池氏を証人喚問に引っ張り出した。力ずくでやっつけようとしたのでしょうが、むしろ逆に火の粉が自分に降りかかってしまいました。冷静な国民はそのおかしさに気づいたと思います」(政治評論家・森田実氏)
酷いのは自民だけじゃない。
維新に至っては、自分たちの親分の松井一郎府知事に籠池理事長の批判の矛先が向けられているため、それを払いのけるための質問に終始。演説調で持論を展開するものだから、籠池理事長から「それは質問ですか」と逆質問される始末だった。
★野党共闘