トランプ大統領訪日 米メディアには冷ややかな報道も
11月7日 7時51分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171107/k10011213811000.html
アメリカのメディア各社は、トランプ大統領の訪日よりも国内で発生した銃の乱射事件を大きく伝えていて、中には訪日について「日本の指導者はトランプ大統領の忠実な相棒を演じた」などと冷ややかに伝えるメディアもあります。アメリカの6日付けの新聞各紙の1面は、前日に南部テキサス州で発生した26人が死亡する銃乱射事件に関する記事が紙面の多くを占めました。トランプ大統領の訪日は国際面などで報じられていますが、ほかの記事と比べて特別に大きくは扱われていません。ウォール・ストリート・ジャーナルは「トランプ氏、貿易不均衡の問題で日本に圧力」と題した記事で、「両首脳は日本とアメリカでゴルフをともにプレーし、電話でも会談を重ねるなど緊密な関係を強調しているが、二国間の貿易交渉が両国の関係を破壊する可能性がある」などと伝えています。また、ブルームバーグは6日付けの電子版で「2人は北朝鮮に対する強硬な姿勢という点では一致した」としつつ、「トランプ氏がいちばん不満を口にしていた日本との貿易不均衡の問題については、何ら具体的な結果を出せなかった」などと批判的に伝えています。また、ワシントン・ポストは6日付けの電子版で「日本の指導者である安倍総理大臣はトランプ大統領の忠実な相棒を演じた」と題した記事で、「両国の指導者はゴルフコースでの大騒ぎで仲を深めた。核武装した北朝鮮の暴君への嫌悪を共有するという点が2人をさらに結び付けているようだ」などと報じていて、今回の訪日を冷ややかに伝えるメディアもあります。
“危険な無策”があらわに
日米首脳会談 志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は6日、国会内で記者会見し、北朝鮮問題が最大の懸案事項となった日米首脳会談について「一言で言うと、“危険な無策”があらわになった」と指摘し、安倍晋三首相とトランプ米大統領ともに対話による解決を否定し、軍事力行使を選択肢に含むという従来の主張を繰り返したことを厳しく批判しました。安倍首相は、首脳会談後の共同記者会見で、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐって高まる米朝間の軍事的緊張について、「対話のための対話は意味がない」として対話を否定し、「すべての選択肢はテーブルの上にあるというトランプ大統領の政策を支持する」として米国の軍事力行使を容認する従来の立場を繰り返しました。志位氏は「外交的解決のための方策については一切語られなかった。今まさに外交的解決をいかにはかるかということについて両首脳が知恵をしぼることが必要であるにもかかわらず、新しいものが何もでてこなかった」と指摘。「一言でいって“危険な無策”があらわになった」と批判しました。志位氏は、退役軍人である民主・共和両党の米下院議員16人が4日付で出した共同声明に言及しました。声明は、米統合参謀本部が北朝鮮の核兵器を完全に破壊する唯一の方法は陸上侵攻だと認めたことは非常に重大だとして、「何十万、あるいは何百万もの人命が、最初の数日の戦闘で失われることすら意味する」と指摘。「北朝鮮問題で有効な軍事選択肢というものはない」「軍事選択肢が検討される前に、全ての外交・経済オプションがとられなければならない」と強調しています。志位氏は、北朝鮮問題を解決するには、声明が述べるようにあらゆる外交・経済オプションがとられなければいけないと指摘。米朝が危機打開のための直接対話に踏み出し、日本政府が、トランプ大統領に対して先制的な軍事力行使をするべきでないと提起することが必要だと強調しました。さらに、トランプ大統領が兵器を買うよう求めたのに対し、安倍首相も呼応したことについて、「異常なやりとりだ。ああいう場でもっと兵器を買えと公然と言い、そうしましょうというやりとりだけが目立つ。日本が兵器を増やして軍事で構えるということになれば、軍事対軍事の悪循環がエスカレートする。それを日本の側が拍車をかけるということになる」と厳しく批判しました。志位氏は、両首脳の共同会見での質疑で、安倍首相が偶発的な軍事衝突が起こる懸念に対する手立てについて問われて全く答えなかったこと、トランプ大統領も、米国が軍事攻撃のオプションをとった場合に拉致被害者が危険にさらされる懸念に対し、一切答えなかったことを指摘し、「非常に深刻なところで両首脳が答えを持っていないということが露呈した」と述べました。←(無茶苦茶なトランプ・アベ外交)