柳瀬元秘書官の墓穴 国会招致は「加計ありき」証明の場に
柳瀬唯夫元首相秘書官(現・経済産業審議官)の参考人招致が10日、行われる。官邸で加計学園関係者と面会した事実を認める方針――と報じられているが、もし、その通りであれば、政府のこれまでの説明はひっくり返ることになる。
安全アウト!(柳瀬唯夫元首相秘書官)/(C)日刊ゲンダイ
「誠実にしっかりと国会でお話しさせていただきたい」。参考人招致を前に報道陣の囲み取材に対して、こう語った柳瀬氏。だが、昨年7月の衆参予算委で答弁していた姿は、「誠実」にはホド遠かった。野党議員が繰り返し、「2015年4月2日に官邸で愛媛県や今治市の職員らと面会したのか」と質問したのに「記憶」という単語を20回近くも使って否定し続けていたからだ。柳瀬氏が加計学園関係者との面会を認めざるを得なくなったのは、愛媛県などで面会の事実を示す「物証」が相次いで見つかったためだ。過去の答弁との整合性を図るために「愛媛県や今治市の職員との面会は記憶にないが、加計学園関係者とは会った」というインチキ説明をムリヤリひねり出したのだろう。だが、そうなると新たな問題が浮上する。「プロセスにおいて問題はない」と安倍首相が強調してきた説明の根幹が崩れるからだ。「獣医学部新設は、加計学園だけじゃなく、京産大(京都府)や新潟市も国家戦略特区での申請を検討していました。なのに柳瀬さんは、加計学園の関係者とだけ面会していた。どう考えても不公平、不公正でしょう。そもそも、首相秘書官が、官邸で特定の民間事業者と面会するなどあり得ないことです。しかも、加計学園は利害関係者ですからね。まさに特別扱いであり、『加計学園は首相案件』を示す証左と言っていい。プロセスそのものに問題があったということです」(野党国会議員)
今治市在住で「モリカケ共同追及プロジェクト」の黒川敦彦共同代表が言う。
「おそらく(政府や柳瀬氏は)法的にはクロじゃない、と考えて加計学園との面会を認めるのでしょう。しかし、今治市が作成した議員協議会資料に『<総理・内閣主導>の枠組み』と太文字で書かれていたように特別扱いだったことは紛れもない事実。安倍首相の政治的責任は免れないでしょう」もはや、どう考えても「加計ありき」。安倍首相はクビを洗っておいた方がいい。
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